落語家・桂二葉「精一杯、トリの1席を」5月に「NHK新人落語大賞・受賞お祝いウィーク」

[ 2022年4月8日 14:01 ]

5月に神戸・新開地喜楽館でNHK新人落語大賞受賞お祝いウィークを開催することを発表した桂二葉
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 落語家・桂二葉(35=かつら・によう)は8日、神戸・新開地喜楽館で開催される「NHK新人落語大賞・受賞お祝いウィーク」(5月9~15日)の制作発表会見に出席。入門から11年というスピードで定席のトリを務めることになり、二葉は「光栄です。精一杯、トリの1席を務めさせていただきます」と気合を込めた。

 二葉は2021年度の同賞を受賞。1972年にスタートした「NHK新人落語コンクール」から数えて50年続く大会で、女流落語家として初めて新人の頂点に立った。だが、二葉本人は「女流」の言葉に反発。新人落語大賞受賞後に「“ジジイ”ども、見たか」と叫び、話題となった。

 ジェンダーについて常に意識している。二葉は「女の子は赤いランドセルで」「男の子なんだから泣くな」など、男女で区別されることを疑問に思ってきた。母親の影響だ。落語家の道へ進み、古いしきたりから、「女性だからダメ」などという理解不能な仕打ちも受け「悔しい思いをしてきた」という。

 年配落語家たちの「女に古典落語はできない」という声に挑み、古典落語に力を注いできた。「女流で落語をやっているわけではない。同じようにやって、受賞しました」。苦労したからこそ「“ジジイ”ども…」となった。

 大賞受賞後は、その“ジジイ”たちの見る目が幾分、変わったようで「ビビっている感じ。そういう“ジジイ”にトドメを刺しに行きます」。トレードマークのマッシュルームヘアから想像できないほどの過激な言葉で、さらなる飛躍を誓った。

 お祝いウィークでは「天狗さし」「佐々木裁き」「がまの油」などを演じる予定だ。演者、ゲストは自ら選んで、直接電話交渉して決まった。「落語に出会わせてくれた方。1人の男性としても好きな方ですね」と憧れる笑福亭鶴瓶(70)とのスペシャルトークも企画。「舞台で、2人だけで喋る機会なんて。挑みに行きます」と二葉自身、心から楽しみにしている。

 1週間公演を満席にして盛り上げることが今の目標。鶴瓶登場の15日分はすでに完売した。今後について聞かれると「歴史を変えたい。あと、(名跡を)襲名したいですね。何の名前があるかは知らないけど」と笑いを誘い、「米朝師匠?なかなかエエなって。そんなこと、師匠に怒られます」。二葉の勢いは止まりそうにない。

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2022年4月8日のニュース