「めちゃイケ」生みの親 フジ早期退職、名物プロデューサー・片岡飛鳥氏 制作会社設立へ

[ 2022年2月18日 05:31 ]

◇片岡飛鳥氏が関わった主な番組◇
Photo By スポニチ

 フジテレビで22年続いた人気番組「めちゃ×2イケてるッ!」の生みの親で、90年代以降の日本のバラエティーをけん引してきた名プロデューサーの片岡飛鳥氏(57)が同局を退社することが17日、分かった。今後は制作会社を立ち上げ、映像制作に関わっていくという。

 1988年の入局から30年以上、バラエティー一筋だった。現在は局長職として後進の育成や番組の立ち上げなどに関わっている。関係者によると、フジが1月から募集している50歳以上の早期退職希望者に申し込んだという。

 伝説の番組「オレたちひょうきん族」のADから始まり、「夢で逢えたら」や「笑っていいとも!」などを担当。「いいとも!」では、司会のタモリ(76)の呼び掛けに客席が「そうですね!」と応じる、おなじみのフレーズを定着させた。

 93年には深夜番組「とぶくすり」の演出を務め、当時無名だったナインティナイン、よゐこ、極楽とんぼらを発掘。そのメンバーを中心として95年に「めちゃイケ」を立ち上げた。同番組でもたびたび演者からその名前が飛び出し、視聴者からも認知されていた。

 片岡氏を知る同局関係者は「生粋の作り手気質。編集室に3日間不眠不休でこもり続け倒れたこともあったほど」と証言。「タレントとも結びつきが強く、直接やりとりできる仲だった」という。同局社員は「“ひょうきん族”の時代を直接知る最後の世代の一人。後進は確実に育っているが、当時の生の証言を聞ける機会が減ってしまう」と残念がった。

 昨年にテレビ東京を退社した佐久間宣行氏(46)ら、昨今は著名テレビマンたちの独立が目立っている。ある放送作家は「作り手にとってもテレビに限らず、YouTubeやネット番組など多様な表現の場が増えてきた。片岡氏も今後は自由な形でさまざまな媒体向けに番組を作るのでは」と話した。テレビマンたちのテレビ離れ。それを象徴する名物プロデューサーの退社となった。

 《境鶴丸氏、野島卓氏も》今回の早期退職には、約60人が応募しているという。片岡氏の他には、同じく「めちゃイケ」のプロデューサーを務め、「ガリタ食堂」の企画への出演でも知られる明松功(かがり・いさお)氏も退社。他には元アナウンサーで現在は総務局勤務の境鶴丸(さかい・つるまる)氏、昨年までアナウンス部長を務めた野島卓(のじま・たかし)氏も名を連ねている。

続きを表示

この記事のフォト

2022年2月18日のニュース