前田五郎さん急死、79歳 坂田利夫と「コメディNo・1」で漫才界けん引 最近までトークライブ

[ 2021年11月5日 05:31 ]

漫才コンビ「コメディNo・1」として人気を誇っていた坂田利夫(左)と前田五郎さん
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 1970年代に人気を博した漫才コンビ「コメディNo・1」の前田五郎(まえだ・ごろう、本名前田邦弘=まえだ・くにひろ)さんが10月17日に大阪市内の病院で亡くなっていたことが4日分かった。79歳。大阪市出身。死因については明らかにされていない。

 関係者によると、前田さんは最近まで大阪市内で開かれるトークライブに月1回ペースで出演し、元気な姿を見せていた。8月には吉本新喜劇女優の長女前田真希(42)が第1子となる長男を出産して初孫ができたことを喜んでいたという。その時期に体調を崩して8月以降のイベントへの出演を見合わせ。親族は関係者に「病気で療養している」と説明していたという。

 前田さんは同じ新喜劇座員だった坂田利夫(80)と1968年にコメディNo・1を結成。前田さんの「お前はアホか!」というツッコミに坂田が「誰がアホやねん!」と普通に返さず「うん、アホや」と素直に答えるセオリー破りの掛け合いで人気を博した。

 坂田のアホキャラ開花で72年に発売されたコンビのシングル「アホの坂田」は大ヒット。♪アホ、アホ、アホの坂田、アホのさ~か~た~、という歌詞が社会問題になるほど話題を集めたが、これを歌っていたのも前田さんだった。後年、坂田は「僕はあいつによって生かされてきた」と感謝していた。

 2005年には趣味で43年間撮りためた写真の展示会を開くなど漫才以外でも精力的に活動。だが、2009年8月にコンビを解散。所属先の吉本興業とのトラブルなどから同9月に契約解除となり、その後は1人で活動を続けていた。昭和のお笑い界を彩った上方芸人が、また静かに人生の幕を閉じた。

 ◇前田 五郎(まえだ・ごろう)本名前田邦弘(まえだ・くにひろ)1942年(昭17)4月8日生まれ、大阪市出身。63年に吉本新喜劇に入団。68年に結成した漫才コンビ「コメディNo・1」で72年に上方お笑い大賞・金賞、79年に上方漫才大賞・大賞を受賞した。長女前田真希と次女前田まみは、いずれも吉本新喜劇女優。真希は18年1月に新喜劇リーダーの吉田裕と結婚している。

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