ちばてつや氏驚き「線引きしなくても…」、水島新司氏引退に漫画界から惜しむ声続々

[ 2020年12月2日 07:45 ]

水島新司氏(2010年撮影)
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 人気漫画「ドカベン」や「あぶさん」などの作品で知られる漫画家の水島新司氏(81)が1日付で引退すると同日、発表した。引退を惜しむ声が、漫画界から続々と上がった。

 「あしたのジョー」で知られ、宇都宮市・文星芸術大学学長のちばてつや氏(81)は、スポニチ本紙の取材に「本当ですか?ただただ驚き。漫画家はスポーツ選手と違う。きっちり線引きしなくていいのに…」と残念がった。

 2人は「遊び仲間」で共に野球好き。画業が多忙を極めた70~80年代にお互いのチームで何度も対戦。「私が負けてばかり。彼が投げると打てなかった」と苦笑いした。2018年に「ドカベン」が完結した際は本紙にイラスト付きで「46年お疲れさまでした」とのコメントを寄せた。「文章力の高い人だから」と漫画以外の作品発表にも期待した。

 日本漫画家協会理事長で「アリエスの乙女たち」「天上の虹」などの里中満智子さん(72)は「少年野球漫画の中で、魔球ではなく、チームプレーを子供に見せた功績が大きい」と称えた。「ドカベン」に登場する里中智投手は、里中さんから命名。水島氏から「女の子のようなかわいいキャラクターなので、女の子のファンが親しみやすいよう里中さんの名前を使いたい」と持ちかけられたという。「(自分の名前が)かわいいキャラクターになってうれしかった」と作品の一部となったことを喜んだ。

 先月20日にすい臓がんで亡くなった「釣りキチ三平」の矢口高雄さんも同い年で親交があった。野球漫画の水島氏と、釣り漫画の矢口さん。独自の画風を極めた2人は、お互いスペシャリストとして尊敬し合っていた。「三平」に水島キャラが登場したこともある。

 矢口さんの遺族によると1995年、矢口さんの画業25年パーティーで水島氏が締めのあいさつを担当。「まだまだ我々はこれから。25年後、仲間は引退しているだろう。残っているのは我々だけだ。(2人だけで)差し向かいで(お祝いを)やりましょう」との激励に矢口さんは目を潤ませた。今年はその25年後。矢口さんの妻勝美さんは「水島さんの今の思いまでは分かりませんが、2人とも長く頑張ってくれました」とねぎらった。

 ▽「ドカベン」の里中智(さとなか・さとる) 明訓高校エースで下手投げの「小さな巨人」。右投げ右打ち。高3夏時点の身長は1メートル68。小さな体に闘志みなぎる投手で、冷静な同級生山田太郎とのバッテリーがうまくかみ合い甲子園で4度の優勝投手に。プロ野球編ではロッテに入団。爽やかな雰囲気の美形キャラ。里中の登場で、作品の女性ファンが倍増したとされる。

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