流行語年間大賞に「3密」、小池都知事 発信力証明にご満悦!?成果もアピール

[ 2020年12月2日 05:30 ]

オンラインで表彰式に出席する東京都の小池知事
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 今年話題になった言葉に贈られる「2020ユーキャン新語・流行語大賞」の発表・表彰式が1日、都内で行われ、年間大賞に新型コロナウイルスの感染防止キーワード「3密」が選ばれた。受賞者は「NO!!3密」と記されたボードを掲げて感染対策を訴えた小池百合子都知事。コロナ一色に染まった感のある2020年。トップ10のうちコロナ関連が8つを占めた。

 東京都の作業服を着て表彰式にリモートで参加した小池氏。スピーチで「3密」選出について「元々の発信は専門家の先生方であります」とする一方、「いろいろと使い方にも工夫をさせていただいた」と強調した。

 得意のボードに「NO!!3密 3つの密を避けて行動を」と記して会見で訴えたことなど自らの発信力をアピールしたもので「日常の“密”に対する皆さんの意識が高まってコロナ対策が進んでいる」と成果に触れることも忘れなかった。

 政策の浸透を図る際に使うキャッチーな文句を売りとする小池氏が年間大賞の受賞者になるのは初めて。これまで「クールビズ」(05年)のほか、「盛り土」(16年)「○○ファースト」(17年)の小池関連語がトップ10に入っていた。

 「3密」誕生の一歩は3月9日に開催された政府の専門家会議で、「密閉」「密集」「近距離での会話」の回避が求められたこと。その後、「密接」が登場。官邸がツイッターで「3つの“密”を避けて」と呼び掛けた。

 しかし、広がりはいまひとつで、小池氏が同25日の会見で“NO!!3密ボード”を掲げたことで加速。4月9日にはコメントを求めて殺到する報道陣を制するため「密です!」と連呼。この様子を題材にしたゲームやイラストも生まれ、インターネット上で盛り上がった。この日のスピーチでは「ゲームにもなったんですよね」と笑みを浮かべた。

 一方、官邸はおいしいところを持っていかれた格好。加藤勝信官房長官はこの日の会見で、「3密」は自身が厚生労働相時代に政府が作成した言葉だと紹介。小池氏が受賞したことに「誰が受賞者になるかの関心はない」と無関心を装った。

 トップ10には政府の需要喚起策「Go To ○○」も入ったが、感染拡大に歯止めがかからない中での「Go To トラベル」の運用見直し是非が最大の焦点に浮上。菅義偉首相と小池氏の連携が“密”にならず判断を押しつけ合っていたためだが、この日夜の会談で高齢者らを対象に利用自粛を呼び掛ける限定策で折り合った。

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