伊勢谷友介被告 初公判で“らしく”大麻持論展開、入手先は明かさず

[ 2020年12月2日 05:30 ]

高級品マスクをつけたまま東京地裁を後にする伊勢谷友介被告(手前)=撮影・郡司 修
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 大麻取締法違反(所持)罪で起訴された俳優、伊勢谷友介被告(44)の初公判が1日、東京地裁(村田千香子裁判長)で開かれた。20代半ばで大麻に手を染めてから断続的に使い、新型コロナ感染拡大下で使用量が増えたと説明。起訴内容を認める一方で「誰かを傷つける犯罪ではない」と持論を展開し、入手先の証言を拒否した。

 スーツとネクタイ、マスクを黒で統一し、髪形はサイドを刈り上げたツーブロック。証言台の前に立つと、自身の職業を「俳優および実業家です」とした。その後の被告人質問では、裁判長や検察官を相手に持論を繰り広げてみせた。

 「大麻を購入していた知人は誰か?」の質問に「言えません」と証言を拒否。検察官に「正直に話した方がいいのでは?」と促されると「これは誰かを傷つける犯罪ではない。なので知人を世の中にさらして傷つける必要はない」と述べ、応じることはなかった。

 大麻は26~27歳の時、合法のオランダ・アムステルダムで初めて使った。その後、日本でも断続的に使うようになった。裁判長に「日本で違法性の認識はなかったか?」とただされると「日本は海外からまねして取り入れることで変化していくべきことがある。(大麻も)リラックス法の一つとして選択肢を広げるべきだと思っていた中で認識が甘くなった」と返した。

 使用目的は「リラックスのため」。検察官に「大麻をどう断つか?」と問われると「他にリラックスする方法、時間を使う方法を探す必要がある。社会活動をすることが許されないのであれば芸術活動。物をつくることで時間を使いたい」と、芸術で更生していく意欲を示した。

 起訴内容は「間違いありません」と全面的に認めた。大麻は断続的に使ってきたが、昨秋ごろから常用。「コロナで自宅にいることが増え、打ち合わせもリモートになって、空いている時間に使っていた」と、コロナ感染拡大下で使用量が増えたことを明かした。

 逮捕時には約40回分の使用量に相当する乾燥大麻20・3グラムが押収されている。伊勢谷被告は普段、20グラム弱を約10万円で購入していたという。検察官は「自己使用目的としては多量。大麻の常習性、依存性は顕著」として懲役1年を求刑。公判は1時間超で即日結審した。

 伊勢谷被告は最後に「私のことを応援してくださった方々に大変なご迷惑をお掛けした」と謝罪。裁判長に一礼し、足早に法廷を後にした。判決は22日に言い渡される。

 【伊勢谷被告の事件経過】
 ▼9月8日 東京都目黒区の自宅で大麻を所持したとして警視庁組織犯罪対策5課が現行犯逮捕。伊勢谷被告は「弁護士が来てからお話ししたい」と認否を留保。
 ▼9日 取り調べに「大麻は自分が吸うために持っていた」と容疑を認める。ルークス高等学院の学長を解任。
 ▼10日 送検
 ▼29日 起訴
 ▼30日 保釈。保釈保証金は500万円。身元引受人は学生時代の友人。
 ▼10月2日 伊勢谷被告が複数の関係者に謝罪メールを送信。
 ▼12月1日 初公判。起訴内容を認める。

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