阪神に新オプション誕生か 右打者8人でオリ左腕・宮城を攻略 熊谷がマルチ2打点、江越も好走塁で貢献

[ 2022年3月20日 05:30 ]

オープン戦   阪神4ー2オリックス ( 2022年3月19日    京セラD )

<神・オ>4回2死一、二塁、熊谷は二塁適時内野安打を放つ(撮影・北條 貴史)
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 新たな可能性を示したオーダーだった。左腕対策としてこの日は左打者の阪神・近本、糸原が控えに回り、山本、熊谷、江越ら右打者8人が先発に名を連ねた。その作戦が奏功。個々が起用に応え、昨季13勝で新人王に輝いた宮城を見事に攻略した。

 劣勢を打開したのは6試合ぶり先発の熊谷のバットだった。0―1の3回2死一、二塁で初球のスライダーを右翼線に運び、同点適時打。続く2点リードの4回2死一、二塁でも二塁への適時内野安打を放ち、2安打2打点。「左ピッチャーで打てたのは大きい。今日はラストチャンスくらいの気持ちでやっていた。打ててよかった」と振り返った。

 江越は足で魅せた。二塁走者として迎えた4回2死一、二塁だ。熊谷の二遊間への打球(記録は二塁内野安打)を処理した二塁手・安達が一塁へ送球する間に、二塁から一気に生還を果たした。相手の隙を突いた好走塁で得点を呼び込み、難敵攻略にひと役買った。

 チームは昨季、相手が右腕先発だった85試合で48勝32敗5分け、勝率・600の一方、左腕先発の58試合では29勝24敗5分け、勝率・547。やや苦手とする左腕先発試合の勝率を上げられれば、昨季あと一歩で届かなかった頂点に近づく。シーズン中にこの日のような大胆なオーダーを組む可能性は低いかもしれないが、左腕先発試合の引き出しの一つにはなったはず。矢野監督も「いろんなことが起こりえる状況で、誰かが出られなくなった時でも補えることができるようなね。みんなで底を上げることができている」と、うなずいた。(長谷川 凡記)

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