日本ハム・新庄ビッグボス「人気ないんだね」控え組発奮で大逆転　ファン投票“不発”も8回一挙5点

オープン戦   日本ハム6―4DeNA （ 2022年3月19日    札幌D ）

＜日・D＞8回2死満塁、代打・ヌニエスの適時安打で生還した宇佐見と佐藤を盛大に出迎える新庄監督（左奥）ら日本ハムナイン（撮影・西川祐介）
Photo By スポニチ

　日本ハム・新庄監督が掛けた言葉が、先発落ちした選手たちに火をつけた。「君、人気ないんだね」。指揮官の発案で応募総数6万4448件のファン投票で野手のスタメンが決まった一戦。個々の数字は非公表ながら、1番から得票数順に並んだ打線で、逆転劇の主役となったのは「人気がない」控え選手だった。

　試合開始45分前。場内放送で選手が先発メンバーを知ると、シートノック前に準備する面々の明暗が如実に表れた。1番に選ばれた万波はガッツポーズして観客席へお辞儀。先発落ちした石井は「（先発入りの予想は）若干していたけど、ガクッときた。シートノック中は引きずっていた」と心境を吐露した。悔しさを爆発させたのが8回だった。

　3点を追う1死一塁から途中出場の宇佐見が左前打でつなぎ、その後2死満塁として代打・ヌニエスが2点中前打を放つ。一、二塁からは「切り替えて自分の仕事をするだけ」と石井がバットを折りながら右前打で同点。同じく途中出場のアルカンタラが右翼線へ決勝二塁打を放った。

　新庄監督は試合後、ファン投票によるスタメンについて「ファンに選んでもらった期待に応えたいという気持ちを大事にしたい」と説明。開幕後についても「全然ある。1週間で8回くらいやろうかな」と冗談交じりに予告。一方、先発落ちした選手には「こういうので選ばれて、という努力もしていきなさい」と野球以外でのアピールも求めた。

　6試合で10打数5安打1本塁打4打点の新助っ人ヌニエスは「名前が売れるようにこれから頑張りたい」と意欲。第2弾の「ファン投票打線」が実現する日には、メンバーが一変しているかもしれない。（東尾　洋樹）