浦学のコナン13K完封 21年夏初戦敗退の雪辱「悔しさ持ってやってきた成果」

[ 2022年3月20日 05:30 ]

第94回選抜高校野球大会第1日第1試合・1回戦   浦和学院4―0大分舞鶴 ( 2022年3月19日    甲子園 )

<浦和学院・大分舞鶴>開幕試合で完封勝利を挙げた浦和学院・宮城(撮影・大森 寛明)
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 32校による13日間(準々決勝、準決勝翌日の休養日含む)の熱戦が幕を開けた。1回戦3試合が行われ、浦和学院(埼玉)はエース宮城誇南投手(3年)が2安打13奪三振で完封勝利を挙げるなど、21世紀枠の大分舞鶴を4―0で下した。和歌山東、九州国際大付(福岡)はともに延長戦で勝利し、2回戦進出を決めた。

 マウンドで三振を奪うたびに吠えた。宮城は、最後の9回も3者連続三振締め。2安打で13三振を奪った完封勝利は圧巻だった。

 「初戦だったので、とにかくバランスを意識した。真っすぐで空振りを多く取れたのは良かった」

 開幕戦で13三振以上を奪って2安打以内での完封は、58年大会の御所実(奈良)の柏本貞一以来64年ぶり。74年の金属バット導入以降では被安打は最少タイで、三振も最多タイの希少な記録だった。この冬は、直球の質向上をテーマにフォーム修正。10三振が直球の成果につながった。背番号1で出場した昨夏の甲子園は、救援で1回2/3だけの不完全燃焼。「去年の夏の悔しさを持ってやってきた成果が、こういう結果につながった」と振り返った。

 沖縄出身の左腕。名前の「誇南」は「こなん」と読む。人気漫画「名探偵コナン」好きでもある母・千晶さん(43)が、沖縄に生まれたことを誇りに思ってほしいという願いから名付けた。アルプス席で見守った母は「昨日の夜にLINEした時に“調子は良くなってきている”と言っていた。昨年の夏に甲子園に出たときよりも堂々としてました」と目を細めた。昨秋、森大(だい)監督が就任し「URAGAKU」の文字が入った伝統のユニホームに回帰。甲子園初勝利をプレゼントされた指揮官も「最後までエースの役割を果たしてくれた」と称えた。

 埼玉勢の開幕戦勝利は、68年に優勝した大宮工以来54年ぶり。13年にその大宮工以来のセンバツ優勝を果たしたのが浦和学院だ。「ここで満足せず、相手のレベルも上がってくる。変わらず今日のような投球ができるように修正したい」。宮城は埼玉勢3度目の頂点へ、照準を定めた。(田中 健人)

 ◇宮城 誇南(みやぎ・こなん)2004年(平16)9月5日生まれ、沖縄県出身の17歳。喜名小2年から野球を始める。読谷中時代は読谷ボーイズに所属。浦和学院では1年秋から背番号1でベンチ入り。好きな言葉は「なんくるないさ」。1メートル73、73キロ。左投げ左打ち。

 ▽68年春の大宮工優勝 埼玉勢として初めて開幕戦に登場。防府商(山口)と対戦し、4―4の延長10回に勝ち越して5―4で勝利。2回戦で浜松工(静岡)を9―5、準々決勝で平安(京都)を6―3、準決勝では東尾修を擁し初出場だった箕島(和歌山)を5―3で破った。決勝は尾道商(広島)を3―2で下し、初出場で初優勝。また、浦和学院は優勝した13年春の初戦の相手が、21世紀枠の土佐(高知)だった。

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