阪神・俊介 今季限りで引退 たった一人での入団発表から12年 佐藤輝ら後輩の台頭見届け決断

[ 2021年9月16日 05:31 ]

17年6月、西武との交流戦で決勝本塁打を放った俊介。初の甲子園弾にバットは美しい弧を描いた

 阪神・俊介外野手(34)が今季限りで現役を引退することが15日、分かった。近大から09年ドラフト5位で入団し、高い守備力と俊足を生かした機動力を武器としてきたが、今季は一度も1軍昇格がなく決断したもよう。近日中に会見を開き、12年間応援し続けてくれたファンに報告する。

 首位を走る1軍の戦力になれていない現状が寂しく、俊介は今、悔しいに違いない。今シーズンは春季キャンプを2軍の安芸で過ごし、開幕後も1度も昇格していない。野球を続けたい――。野球が好きだ――。悩みに悩んだが、現役引退を決断するに至った。

 タイガースでの12年間は幸せだった――。

 近大4年で迎えた09年秋のドラフト会議では3位までに指名がなければ社会人・東邦ガスへの入社が決まっていたが、阪神から5位で指名されて、戸惑った。入団交渉に時間がかかり12月7日の新人入団発表には参加できず、1週間後の14日にたった一人での入団発表だった。

 1年目の10年から開幕1軍入りを果たし、横浜との開幕戦では右翼の守備だけながらデビュー。フルシーズン1軍に同行し、124試合に出場した。2年目の11年には開幕スタメンを勝ち取るなど即戦力として上々のスタートを切った。

 同姓の藤川球児がいたため、2年目から登録名を「俊介」に変更したのも親しまれる一因となった。藤川球児のメジャー移籍後もそのまま継続した。広い守備範囲と俊足を生かした機動力が武器。打撃に苦しみ、レギュラー定着とまではいかなかったが、欠かせない戦力として貢献しつづけた。17年に国内FA権を取得したが、「お世話になったタイガースで優勝したい」と権利を行使せずに残留した。

 近年は同じ外野手で高山、近本らが加わり、今年は佐藤輝が入団。後輩たちがめざましい台頭を見せる中、19年は6試合、20年は9試合の出場にとどまり、ついに今年は開幕から一度も1軍昇格を果たしていない。ウエスタン・リーグでも主にDHや代打での出場が続いている。

 野手では糸井に次ぐ2番目の年長者となる34歳となったが、今も若い選手には追いつかせない、追い抜かせないつもりでボールを追いかけている。最後の一日まで全力疾走のまま、タテジマを脱ぐつもりだ。

 ◇俊介(本名・藤川俊介=ふじかわ・しゅんすけ)1987年(昭62)8月17日生まれ、福岡県出身の34歳。広陵では1年夏、2年春に甲子園出場。近大では1年春からベンチ入りし、ベストナイン5回。09年ドラフト5位で阪神入り。同姓の藤川球児がいたこともあり、11年から登録名を「俊介」に変更。1メートル78、77キロ。右投げ右打ち。

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