連続無失点記録にサヨナラ…広島・栗林「申し訳ない」 プロ初失点&初黒星も佐々岡監督「責められない」

[ 2021年6月14日 05:30 ]

交流戦   広島8ー9オリックス ( 2021年6月13日    京セラD )

<オ・広(3)>9回2死満塁 T-岡田(左)にサヨナラ適時打を打たれた広島・栗林(撮影・成瀬 徹)             
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 結末は非情だ。広島は13日のオリックス戦で今季初のサヨナラ負けを喫した。打線が終盤に4点差を追い付く粘りを見せたものの、最後は栗林良吏投手(24)が2死満塁からT―岡田に右前打を許して決勝点を献上。開幕からの連続無失点は22試合で止まり、プロ初黒星を喫した。チームは今季最悪の7連敗で借金12。3試合を残して交流戦最下位が決まると同時に、リーグ順位も最下位に転落した。

 絶対的な守護神でさえもチームを覆う負の流れに抗(あらが)えなかった。開幕から登板23試合目にして初めて失った痛恨の1点。その重みを知る栗林は苦渋の表情で言葉を絞り出した。

 「先頭を含む3四球で1本は一番ダメ。いい形で追い付いて明日以降につなげられるところで、チームの雰囲気や流れを壊してしまって申し訳ない…」

 8―8の9回。先頭・福田への四球から犠打、さらには申告敬遠を含む2四球で1死満塁のピンチを招く。ロメロをフォークで空振り三振に斬ったのもつかの間、T―岡田にカウント1―1から投じた外角高め直球は無情にも右前で弾んだ。

 「9回に追い付いて(登板)というのは今までない。準備不足のような形で先頭にしっかり入っていけなかったのが良くなかった」

 無失点を続けた開幕からの22試合は無双だった。宝刀フォークなどを巧みに操って奪三振34、被安打8、与四球9と高次元で安定。ところが、この日は引っ掛け球が目立ち、制球に苦しむ姿が見て取れた。打線が終盤いつにない粘りを発揮。ないはずの登板機会が巡り、気持ちの制御が難しかったのか。

 総じて低調だった打線は遅ればせながらつながった。3点劣勢の9回。林、宇草の連打と暴投で1死二、三塁とすると、菊池涼が左前へ。代走・曽根が二盗を決めた2死二、三塁では、小園が2点同点右前打だ。プロ初の3番で3安打3打点と活躍した21歳は言う。

 「何も変えることなく、自分の仕事をするだけだと思っていました。僕も含めて若い選手が出ている。盛り上げていけばいい方向に行くと思うので、勝てるように頑張ります」

 過酷な今季初のサヨナラ負け。佐々岡監督は栗林について「仕方がない。開幕からここまで22試合かな。もちろん責められないし、切り替えてまた頑張ってもらいたい」と強調。交流戦最下位には「あと3試合、地元に帰って必死にやるだけ」と声を絞り出した。

 オリックス戦は18年6月12日から9連敗。2分けを挟む連敗は今季最悪の7となり、借金12に膨らんだ。この日の粘りをドロ沼からの脱出につなげたい。(江尾 卓也)

 ○…サヨナラ負けの広島は交流戦最下位が決定。残り3試合に全勝した場合、5勝10敗3分けの勝率・333。現在11位の日本ハムが残り1試合の広島戦敗戦で6勝12敗の勝率・333で並ぶが、勝利数の多い日本ハムが規定により上位になる。リーグ順位も今季初の6位に転落。勝率・375で並んだDeNAに勝利数で下回ったためで、5位DeNAが借金14、6位広島が借金12の「マイナス1ゲーム差」の珍現象となった。

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2021年6月14日のニュース