大谷翔平のイライラ解消法 メジャー初のボークから見えたメンタル面の成長

[ 2021年6月14日 08:00 ]

11日のダイヤモンドバックス戦、三振を奪い雄叫びをあげるエンゼルス・大谷(AP)
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 エンゼルスの大谷が6月11日のダイヤモンドバックス戦でメジャー4年目で初めてボークを取られた。しかも1イニングに2度。やや不可解な判定も相まって日米で大きな関心を集めた。「久々にマウンドでイライラしてしまった。そこら辺はまだまだだなという感じ」。普段は恐ろしいほど冷静沈着だが、良い意味で人間らしさが垣間見えた瞬間でもあった。

 では、大谷はこのイライラをどのように解消したのか。「終わったことなので、正直そんなに考えてもしようがない。そこでいかに早く切り替えることができるかっていうのが大事」。反省はしても、引きずることはしない。その目は常に未来を見据えていた。

 こうも言った。「そういう微妙なプレー(ボーク)の時に、もう少し冷静にいられるかどうかは、何も野球だけではない。日々からそういう精神状態がつくれるようになれば、もっともっと良いんじゃないかなと思っています」。世界一の選手になるためには、普段の生活からの心がけが重要だ。

 この試合。大谷は降板直後の6回に右翼に回り、7回の打席で右中間二塁打を放った。6回に救援投手が打ち込まれ、自身の今季3勝目が消滅した直後の打席だった。気落ちすることなく、打者の役目をきっちり果たした。「投手の仕事としてはその時点(降板時)で終わっている。その後に勝ち(自身の白星)が消えるかどうかは正直あまり関係ない。最終的にチームが勝つか勝たないかがそこからは大事。いい集中力を持って打席に立つことができた」。変えられないものを受け入れる冷静さと、変えられるものを変える勇気。大谷の思考には1本の筋が通っている。

 ちなみに、大谷が日本ハム時代にボークを宣告されたのは一度だけ。2014年5月13日。函館開催の西武戦。最大瞬間風速15・5メートルの中、不慣れなマウンドで2四球を与えると、マウンドに足を引っかけて、投球動作を中断した。「思ったより風が強くて慌てた」。それでも、次第に強風を味方につけ、直球はプロ入り最速の158キロをマーク。プロ初完封を飾った試合だった。

 あれから7年。二刀流で記録的快挙をつくり続けるメジャー4年目。投打はもちろん、メンタル面の成長が目を引く。欲を言えば、あの時のようを完封勝利をまた見てみたい。(記者コラム・柳原 直之)

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