日本ハム・万波、高卒3年目で待望プロ1号「自分でも驚きながら回っていた」

[ 2021年6月14日 05:30 ]

交流戦   日本ハム1―4DeNA ( 2021年6月13日    札幌D )

<日・D>2回2死、万波はプロ初本塁打となる左越えソロを放つ(撮影・沢田 明徳)
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 日本ハムの万波中正外野手(21)が13日、DeNA戦で待望のプロ初本塁打を放った。侍ジャパンでの実績もある今永から2回に一時同点とする豪快なソロ本塁打。7回にも二塁打を放って自身2度目の複数安打と気を吐いたが、打線がつながりを欠いて1―4で敗れた。今季は札幌ドームで6勝18敗4分け。東京五輪の使用会場となるため約2カ月本拠を離れるが、五輪前最後の試合を飾れなかった。

 2年前の姿とは違った。確かな感触を両手に残し、万波が夢見心地でダイヤモンドを1周した。

 「甘い球をしっかり打つことができて良かった。打った瞬間行くかなというちゃんとした手応えのある本塁打だった。興奮気味で頭は真っ白。自分でも驚きながら回っていた」

 その一発は1点を追う2回に飛び出した。初球のカットボールを捉えると、左中間最深部へ飛び込む特大アーチ。ベンチで先輩から出迎えられると、笑顔がはじけた。

 プロ1年目だった19年3月3日のDeNA戦でオープン戦デビュー。札幌ドームでの新人お披露目となった一戦で初対戦した投手が今永だった。結果は空振り三振。「その時は手も足も出ないでやられた。そういう投手から打てて成長を感じられた」と喜んだ。

 初本塁打は野球の神様が打たせてくれたのかもしれない。昨オフ、04年アテネ五輪のハンマー投げ金メダリストで、現在はスポーツ庁長官の室伏広治氏の著書「ゾーンの入り方」(集英社新書)に出合った。その中で、ゾーンに入るにはハンマーと靴を磨くこと、との記述があり「商売道具をもっと大事にしないといけない」と改心。バットは乾燥させた状態を保つため、使い終わった際は一回一回袋にしまうようにするなど、より野球道具を大切に扱うようになった。そういう姿勢が一発につながった。

 3点を追う7回は、左翼フェンス最上部に直撃する二塁打。連発とはいかず「ああいうのをしっかりスタンドに届かせられるようにしないと。自分は本塁打を打って他の選手と差別化して個性を出していかないと」と悔しがった。栗山監督も「“小さくなるなよ”とずっと声を掛けていた。スケール大きく野球をやってほしい」とさらなる成長を願った。

 強肩強打の魅力たっぷりの外野手。同期の野村とともに将来の中軸を担う存在として期待は大きい。「ここから食らいついていけるように、より頑張りたいという気持ちになった」。勝負の3年目。この一発が一気に能力を開花させるきっかけとなってほしい。(東尾 洋樹)

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