西部ガス 天国の田中前会長に届ける初勝利!駒苫で甲子園連覇の香田監督男泣き「恩返しできた」

[ 2020年11月25日 05:30 ]

都市対抗野球第3日・1回戦   西部ガス3―1日本製紙石巻 ( 2020年11月24日    東京D )

<西部ガス・日本製紙石巻>勝利に涙する西部ガス・香田監督(右から2人目)と喜ぶナイン(撮影・小海途 良幹)
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 1回戦3試合が行われ、西部(さいぶ)ガス(福岡市)が日本製紙石巻(石巻市)に3―1で逆転勝ちし、12年の創部以来、都市対抗で初勝利。創部に尽力し、今年9月に72歳で急逝した前会長の田中優次相談役へ悲願の1勝をささげた。

 チーム一丸で天国に白星をささげた。5度目の挑戦となった都市対抗で初勝利。念願を果たした香田誉士史監督は「いろんな場面でとにかく全国1勝と言われていた。恩返しできた…」と恩師を思い、涙を流した。

 悲報は今年9月。野球部を創部した前会長の田中優次相談役が72歳で逝去した。恩師のために。ナインはそれぞれが強い思いを抱きグラウンドに散った。

 好投を続けていた先発・村田は7回に適時二塁打を浴び先制点を献上。それでも後続を斬り最少失点に抑えた。右腕も田中相談役への思いは強く「よくオープン戦に来てもらっていた。ダメなピッチングしたら“何をやってるんだ”と言われた。よくやってくれたと言ってもらえたらうれしい」と語った。打撃陣も奮起する。その裏に同点とし、なお1死一、二塁で永利は二ゴロも、スタートを切っていた二塁走者の正木は一気に本塁に生還。勝ち越しに成功した。

 社員が一つになれるシンボルスポーツになること。それが12年創部当初からの使命だ。勝利の瞬間、スタンドは総立ちで今大会一番とも言える拍手が東京ドームに響いた。選手は野球部の「生みの親」である田中相談役の写真やユニホームをスタンドに向け掲げた。応援に訪れた面々と選手らは一体になった。

 04、05年夏に駒大苫小牧を率いて甲子園2連覇も達成した百戦錬磨の香田監督は「会社の方々にシンボリックとして何か見せられた。(相談役は)ニコニコと観客にお礼を言っている気がする」と言った。チームにとって歴史的1勝だが、まだ戦いは途上。墓前に最高の結果を報告する。(柳内 遼平)

 ▼日本製紙石巻・前田直樹監督(出場3大会連続で初戦敗退)7回に1点取ったが(スクイズ失敗で)追加点を取れず焦りもあった。

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