「何もせずに終わった」中日・小笠原 先輩・大野雄と同じ“V字曲線”描き「恩返し」を

[ 2020年11月25日 12:25 ]

中日・小笠原
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 「何もせずに終わった」―。自己ワーストとなる1勝に終わった中日・小笠原慎之介投手(23)が24日、ナゴヤ球場での秋季練習後、冷静に自分の現在地を語った。

 今季は開幕ローテーション入りを逃すと、白星は6回3失点だった8月18日のヤクルト戦のみ。その後、2試合続けて敗戦投手となると、9月3日以降は1軍から姿を消した。1軍登板は自己最少の4試合。大半をファームで過ごした。

 「今年、何やってたんだろう。一瞬にして過ぎちゃった」

 15年ドラフト1位で入団し、高卒1年目ながら16年は15試合に登板。18年には開幕投手を務めた左腕が大きくつまずいた。

 今年の年明け、今季のテーマとして掲げたのが「貪欲」。そのために、あの先輩左腕の門を叩いた。大野雄が毎年、1月に沖縄で行っている自主トレに初参加。約2週間、練習をはじめ寝食をともにした先輩左腕は自身と対照的に今季、沢村賞、最優秀防御率、奪三振のタイトルを獲得するなど、キャリアハイの成績を残した。

 「大野さんは沢村賞を獲ったからとか関係なく、僕が中日に入団する前から凄い投手」。小笠原にとって、大野雄は以前から目標の1人だったが「まだまだレベルの差を感じる」と改めて最敬礼した。

 その上で「だからといって諦めてない」と語気を強めた。「後々、1年後、2年後、良い結果を出して、大野さんに恩返ししたい」。

 大野雄も13年から3年連続2桁勝利を挙げた一方で、18年に未勝利に終わるなど、どん底を味わった。小笠原にも同じようなV字曲線を描いてほしいと思うファンは少なくないはずだ。(記者コラム・徳原 麗奈)

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