ソフトバンクが2年連続4連勝日本一 深刻なリーグ格差 今こそ1リーグ制の再検討を

[ 2020年11月25日 22:23 ]

SMBC日本シリーズ2020第4戦   ソフトバンク4ー1巨人 ( 2020年11月25日    ペイペイD )

<ソ・巨>優勝して歓喜するソフトバンクナインをベンチから見つめる巨人ナイン (撮影・白鳥 佳樹) 
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 ソフトバンクが圧倒的な強さを発揮し、昨季に続いて巨人に4連勝で4年連続の日本一に輝いた。名目は「頂上決戦」であるにも関わらず、各メディアで解説や評論を務めるプロ野球OBはもちろん、全国の多くのファンが予想した通りの結果に。これは巨人が所属するセ・リーグはもちろん、ドキドキ、ワクワクを提供するという意味では、球界全体の危機と言ってもいいのではないか。

 記者は2002年から2019年までプロ野球担当としてセ・リーグは巨人、横浜(現DeNA)の2球団、パ・リーグは西武、楽天、日本ハムの3球団を担当した。通算の年数でもセは5年に対し、パは9年(それ以外の4年は遊軍担当)。よってDH制の試合の取材に慣れ、投手では松坂、ダルビッシュ、田中、打者では小笠原、カブレラ、松井稼らが真っ向勝負を演じる姿を近くで見てきた。2死走者なしで投手が無気力で打席に立つことも、2死二、三塁で8番打者を敬遠気味に歩かせて9番の投手で勝負するという場面も見ることはない。楽天担当となった12年以降は完全に「DH派」となった。

 セとパで差が広がった要因はDH制を含めて多くあると思うが、ネットなどでは「巨人は(パ・リーグ最下位の)オリックスよりも弱いのか?」などセ・リーグのレベルを疑う記事ばかり。純粋なセ・リーグ球団のファンは心を痛め、モヤモヤを抱えていることだろう。

 そんな問題を一発で解消できる案がある。2リーグ制の撤廃だ。12球団の1リーグで、もちろんDH制を採用。旧セ球団は昨年までは交流戦期間だけだったが、シーズンを通して「柳田(ソフトバンク)や山川(西武)をどう抑えるか」、「千賀(ソフトバンク)や山本(オリックス)をどう打つか」という課題と向き合う。数年間は旧パ球団が上位を占めるかもしれないが、必ず全体のレベルアップにつながるはず。ポストシーズンは上位6チームによるトーナメント制か、CSのようなステージ制でもいい。

 すでにソフトバンクの王貞治球団会長が野球界の底辺拡大や活性化のために提言しているが、将来的に球団数が増えるとなっても1リーグであれば参入しやすいのではないか。来季以降はコロナ禍による減収減益から脱却するため、新たな話題提供が必要となってくる。かつて一部オーナーが画策し、球界再編問題にまで発展した1リーグ案。すぐに実現させることは不可能だと思うが、ぜひ検討してもらいたい。(記者コラム・山田忠範)

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2020年11月25日のニュース