広島・森下 藤浪と投げ合い「僕もプロ野球選手になったのだな…」 自己最多10奪三振で2勝目

[ 2020年7月24日 05:30 ]

セ・リーグ   広島4-2阪神 ( 2020年7月23日    甲子園 )

<神・広(5)>力投する森下(撮影・北條 貴史)
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 広島のドラフト1位・森下暢仁投手(22)は23日、コンディション不良からの復帰戦となった阪神戦で、6回4安打2失点に抑えて2勝目を挙げた。10日に出場選手登録を抹消されて中13日となった登板で自己最多の10奪三振。相手先発の藤浪に投げ勝ち、わずか1日での最下位脱出に導いた。 

 復帰戦の新人が、重苦しい空気を変えようと腕を振った。球数は、5回終了時点ですでに100球。それでも森下は、逆転した直後の6回も当然のように託され、サンズ、福留を空振り三振に仕留めて6回2失点で仕事を終えた。

 「逆転してもらいたいと思っていた。勝ちたいという思いの中でやっていた」

 軽症ながらコンディション不良で登録抹消され、中13日での先発だった。初回2死一塁から、大山にプロ初被弾を献上しても焦らない。2回以降の5イニングを3安打無失点と立て直した。「これ以上点を取られてはいけないな…と。仕方ないと割り切っていけた」。毎回の奪三振で、自己最多の10三振。ゴロアウトは3つのみと、最速151キロの直球で押し続けた。

 相手先発は、高校日本一を経験した藤浪だった。「僕もプロ野球選手になったのだな…」。甲子園での登板は、15年にU―18日本代表として臨んだ「WBSC U―18ワールドカップ」以来。5年後、広島のドラ1として聖地に帰還し、大きく成長した姿を見せた。

 軽症だった今回のコンディション不良とは異なり、大学1年目は開幕直後に故障した。1年春の新人戦。当時、右肘に不安を覚えながらも、慶大の同学年で現中日の郡司との対戦で全力投球。140キロ台後半を連発すると、右肘が悲鳴をあげて降板し、右肘骨折が判明した。当時の明大・善波監督がプロ志望だった森下に強く大学進学を勧めたのには、「森下は大学で一から鍛え直した方が将来のためになる」との見立てがあった。大学進学早々の故障でその思いを共有。その後は、2年秋に右肩に軽度の炎症を起こした程度と、痛い過去が投手としての土台作りの分岐点となった。

 今回の登録抹消も、開幕直後からのリミッター解除での全力投球に負担がかかっていたに違いない。ただ、「これからつながることばかりです」と、大学時代同様に勉強と受け止めた。

 自身2勝目で、最下位脱出に貢献。初々しい森下の全力投球が、チームの活気を取り戻した。 (河合 洋介)

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