帝京大可児・加藤、プロ6球団視察の前で奪三振ショー「アピール続けたい」

[ 2020年7月24日 11:46 ]

2020夏季岐阜県高等学校野球大会 2回戦   帝京大可児12―0武義 ( 2020年7月24日    KYBスタジアム )

3回無失点8奪三振の好投を見せた帝京大可児・加藤
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 豪腕が実力を存分に示した。最速153キロ右腕の帝京大可児・加藤翼投手(3年)が先発し、3回1安打無失点と好投。阪神、中日など6球団のスカウトが見守る前で、8つの三振を奪う圧巻の投球を披露し「プロ1本で行こうと思っているので、アピールを続けたい」と志望を明言した。

 試合開始と同時に奪三振ショーが幕を開けた。まずは1番打者を見逃し三振に仕留めて滑り出すと2死後、3番打者は149キロ直球で空振り三振。2回途中に右手中指のマメをつぶした影響で球速はこれがこの日の最速だったが、110キロ台のカーブを交えて緩急を付けるなど2つの球種で相手を封じた。「いい時は直球でカウントが取れるけど、持ち味が出せなかった。40点くらい」と自己採点は厳しいが、2回以降のアウトは全て三振。能力の高さは見せつけた。

 今月19日の練習試合で自己最速をマークするなど右肩上がりで成長を続ける右腕。陰には元プロの存在がある。近鉄、オリックス、ヤクルトで活躍した田中祐貴投手コーチとの出会いで加藤は劇的に変わった。

 「ユウキさんがいなければ、今の自分はいない」

 入学直後は野球に興味が持てず、球速も130キロが出なかった。しかしトレーニングジムも経営するコーチとの二人三脚で意識が変わった。まずは60キロ程度だった体重を15キロ増量し、2年秋までに土台を整備。技術面でも投球時にボールを強くたたけるよう、体幹強化を重視し、バランスのいい筋力を付けた。無駄な脂肪を付けず、体脂肪率は1桁台。コーチは「勝手に育ったんですよ。素直さも謙虚さもある子ですから」と笑った。

 阪神・熊野輝光スカウトは「腕の振りがいい。下半身を使って投げられるようになれば、もっとスピードも出る」と素材の良さを認め、ヤクルト・橿渕聡スカウトグループデスクも「特徴はスピン量が多い直球。直球で空振りが取れるし、ポテンシャルを感じる」と言う。温泉の街・岐阜県下呂市出身の魅力あふれる右腕。伸びしろは無限大だ。

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2020年7月24日のニュース