松阪商・阪本 “遊ゴロ”打ち直しでゴジラに並ぶ60号 中日スカウト「運も持ってるね」

[ 2020年7月24日 05:30 ]

三重大会2回戦   松阪商11-0桑名工 ( 2020年7月23日    県営松阪 )

5回裏に3ランホームランを放った松阪商・阪本和樹
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 ドラフト候補に挙がる松阪商の4番・阪本が強運とパワーを見せつけ、高校通算では松井秀喜(星稜)に並ぶ60本塁打に乗せた。6点を追加した5回、なお2死一、三塁から遊ゴロ。攻守交代へ動こうとしたところ、三塁塁審がタイムをかけていたことで無効となり、もう一度好機が巡ってきた。

 「打ち損じたゴロだったので、次は一球で仕留めようと思った。変化球は来ないと予想していた」

 読み通り真ん中に甘く入った直球を捉えた打球は大きな弧を描きバックスクリーンへ。豪快な中越え3ランで11点差をつけ、コールドゲームで3回戦進出を決めた。

 「大きく外側に出すような自分のスイングができた。力まず、練習のようなバッティングをすれば、自分の力があれば飛んでいく」

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で自宅待機中は食トレにも力を入れ、増量に努めた。一日の食事を細かく分けることでひたすら食べ続け、4月から体重は5キロ増。飛距離が伸び、特大弾にもつながった。もちろん、体だけではなく心も鍛える時間になった。

 「甲子園の中止が決まったときは、チームの誰より引きずった。でも、代替大会があると聞いて、誰より先に気持ちを切り替えた。自分もチームも精神的に成長できた。それが一番良かったなと思います」

 中日、巨人のスカウトが視察に訪れ、中日の近藤真市スカウトからは「しっかり捉えられている。素材はもちろん、運も持ってるね」と評価された。「自分の成績よりチームの勝利」。名実ともに「大黒柱」の4番として県の頂点を見据えた。 (田中 想乃)

 ◆阪本 和樹(さかもと・かずき)2002年(平14)8月29日生まれ。三重県津市出身の17歳。南が丘小6年から硬式野球を始め、投手。南が丘中では「三重ゼッツヤング」で投手と左翼手。松阪商では1年春から背番号18でベンチ入り。高校通算60本塁打。1メートル79センチ、79キロ。右投げ右打ち。

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2020年7月24日のニュース