札幌大谷、スモール野球で流れつかむ 船尾監督「こんな勝ち方したことがない」

[ 2019年3月25日 05:30 ]

第91回選抜高校野球大会1回戦   札幌大谷4―1米子東 ( 2019年3月24日    甲子園 )

釜萢(右)からウイニングボールを受け取る札幌大谷・船尾監督(撮影・北條 貴史) 
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 雪国だってこんな野球もできる。大技だけではない。昨秋の神宮大会の覇者・札幌大谷の底力がそのワンプレーに表れていた。

 「すぐに同点にされ、3回は流れをつくりたかった。こんな勝ち方したことがない」

 淡々と船尾隆広監督(47)が振り返るのは同点の3回だ。1死一、三塁。走者2人がスタートし、3番・飯田柊哉主将(3年)が叩きつけるように三ゴロを打った。三塁走者・中川征典(3年)は悠々と本塁生還。これが決勝点だった。三塁走者はバットに当たる瞬間にギャンブルスタートするスペシャルエンドラン。「一、三塁に打つことを徹底してきたので(三塁に)転がせてよかった」。飯田主将はそう言った。

 併殺狙いの米子東内野陣に対し、正面の三ゴロで1点を取って一塁走者も二塁へ。派手な先頭打者弾で幕を開けた試合で、スモールベースボールで流れをつかんだ。「冬はできない練習なので。秋までに蓄積してきたことができた」。飯田主将は胸を張った。

 北海道の冬。例年に比べて雪が少ないとはいえ、狭い室内練習場では実戦練習はできない。夏から雪が降る前まで週3回、シート打撃の際に、各打者が成功するまで続けたという秘策を大舞台で披露した。これで公式戦13連勝。長い冬を越え、秋の王者の“無敗進撃”が再び始まった。

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2019年3月25日のニュース