初出場・札幌大谷が快勝発進 「勇気づける1本を」北本が先頭弾

[ 2019年3月25日 05:30 ]

第91回選抜高校野球大会1回戦   札幌大谷4―1米子東 ( 2019年3月24日    甲子園 )

初回無死、札幌大谷・北本は左越えに先制ソロ本塁打を放つ(撮影・北條 貴史) 
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 初出場の札幌大谷が米子東(鳥取)を4―1で破った。1番の北本壮一朗遊撃手(3年)が初回に先頭打者本塁打で打線を勢いづけると、背番号17の太田流星投手(3年)が4安打1失点(自責0)で完投した。これで昨年秋から公式戦13連勝。昨秋の明治神宮大会で初出場初優勝したチームが、春夏通じて初めての甲子園でも快勝発進した。札幌大谷は大会第7日の2回戦で明豊(大分)と対戦する。

 いきなり大きな一発が飛び出した。初回、先頭の北本がカウント3―1から内角寄りの直球を強振。「芯で捉えたので、もしかしたら入るかも」と手応えを感じた打球は、奇麗な弧を描いて左翼席に飛び込んだ。

 3万人の観衆の中をニコリともせずにダイヤモンド1周したのは驚いていたからだ。「みんな緊張していたと思うので、勇気づける1本を打ちたいと必死だった。打ったことも、勝ったこともまだ実感が湧かない」と試合後も初々しい表情で目を白黒させた。

 4日前まで不調に悩んでいた。和歌山合宿中の練習試合では15打数2安打。結果が出ない焦りから、ボール球に手を出していた。だが、開き直って何も考えないことに決めると、体が自然に反応した。「冬の間に眠っていたものを体が覚えていて、目覚めた感じ」と調子を上げ、自信を持って打席に立った。

 「調子がよくない時は丁寧にやるからいい結果が出る」という前向きな思考もはまった。大振りせずにコンパクトに振った結果の本塁打。遊撃の守備でも前に突っ込んで打球をさばいた。「守っていても楽しかった。攻めの守備と攻撃が持ち味。それを甲子園で出せた」と胸を張った。

 札幌大谷シニア時代の背番号は2桁。今でこそ1メートル81、80キロの体格を誇るが、中学入学時の身長は1メートル54と小柄で、もっぱら守備固めと代走要員だった。体が大きくなるにつれて攻撃型の選手になっていった。「中学生の時には高校でレギュラーを獲りたいと思っていたけど、甲子園までは思っていなかった。夢の場所」と言う大舞台で輝きを放った。

 3年前の春、全国大会で敗退後に甲子園を訪れて「ここに来よう」とチームメートと誓った。中学の仲間と甲子園出場を実現し、さらに1勝をもぎとった。創部11年目での快挙に船尾隆広監督(47)も「野球部にとっては歴史的な一日」と感慨深げに振り返った。

 初出場初優勝した昨秋の明治神宮大会でも、北本が4試合中3試合で初回に出塁してチームを乗せた。あの時と同じムードが漂うが、慢心はない。「次の目標は2回戦突破」と謙虚に言い切った北本の言葉が快進撃を予感させた。(石川 加奈子)

 ▽北海道勢の甲子園先頭打者本塁打 センバツでは北照・西下明夫が98年2回戦(初戦)の郡山(奈良)戦で左翼へ放って以来21年ぶり。夏は、駒大苫小牧・林裕也が05年準々決勝の鳴門工(徳島)戦で初球を右翼に運んだ。この日の北本を含め、いずれも初回裏に出ている。

 ◆北本 壮一朗(きたもと・そういちろう)2002年(平14)3月14日生まれ、札幌市出身の17歳。小学3年であいの里バイソンズで野球を始め、札幌大谷中時代は札幌大谷シニアでプレー。高校では1年春の支部予選で初ベンチ入り。遠投105メートル、50メートル6秒1。家族は両親と姉。1メートル81、80キロ。右投げ右打ち。

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