「4番・大谷」技あり打!変則右腕クエトに“三度目の正直”

[ 2018年4月24日 05:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス2―4ジャイアンツ ( 2018年4月22日    アナハイム )

6回1死一、二塁、右前打を放つ大谷
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 最速4番だ。エンゼルスの大谷翔平投手(23)が22日(日本時間23日)のジャイアンツ戦でメジャー初の中軸となる「4番・DH」で出場し、右腕クエトから3打席目に右前打した。4番を務めるのは日本選手5人目。試合は2―4で敗れたが、また歴史に名を刻んだ大谷は、次は投手として、24日(日本時間25日午前9時10分開始)のアストロズ戦に先発。昨季の世界一軍団に挑む。

 大谷は狙っていた。0―4の6回1死一、二塁。2ボール2ストライク。クエトの低めのチェンジアップをバットの先端で拾い、最後は右腕一本で右前に運んだ。

 「素晴らしい投手だなと感じた。一個一個のボールに関して精度の高いボールが来ていた。さすがだなという感じはあった」

 クエトは14年に20勝、16年に18勝を挙げ、トルネード投法のように背中を向けてから投げ、「クイック」や2段モーションも駆使する変則右腕。初回から2打席連続でチェンジアップに空振り三振を喫したが、大谷は冷静だった。「捕手も(ポージーに)代わっていた。各打者に対してどういうカウント別の配球なのか見ながら(打席に)入れた」。この安打まで11球中7球がチェンジアップ。データだけでなく、投手との間合い、ボールの軌道を頭に叩き込み、三度目の正直で仕留めた。

 これまで6番が最上位だったが、メジャー移籍後初の4番。主砲・プホルスが休養日だったためだが、マイク・ソーシア監督の「経験を積んでもらいたい」という期待の起用でもあった。大谷は「予想はしていなかった。球場に来てから言われた」としたが、冷静だった。チーム22試合目(野手出場11試合目)での4番は、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜を超えて日本選手最速。1シーズンで3試合以上先発登板し、4番に入るのは、ワールドシリーズで唯一完全試合を成し遂げているドン・ラーセンが61年に記録して以来57年ぶりで、ベーブ・ルースらを含め史上16度目と、また歴史に名を刻んだ。

 ジ軍は大谷獲得に際し、昨年12月の最終選考に残った7球団の一つ。2月のアリゾナキャンプ中、大谷はスコッツデールの人気レストラン「ドン&チャーリーズ」でジ軍のボビー・エバンスGMと出くわし「ア・リーグに行ってくれてありがとう」と言われたという。入団交渉の席に同席した12年MVPのポージーは「見ていて楽しい」とまで言った。

 ソーシア監督は「トラウトやアップトンの後ろの4番は打線の鍵だが、準備はできていた。また4番で起用することもある」と言った。最高峰の舞台で「4番でエース」となる日も遠くはない。(柳原 直之)

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