江夏氏に聞いた衣笠氏の凄さ 遠征先でお酒の席から決まって抜け出し…

[ 2018年4月24日 16:29 ]

衣笠祥雄氏の通夜に出席するため、松山空港から東京に向かう江夏豊氏
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 鉄人・衣笠祥雄氏死去のニュースを知った。プロ野球界の中でも“プロの中のプロ”と言っても誰も文句は言わないだろう。記者は直接取材した経験はないが、衣笠氏の盟友ともいえる江夏豊氏から聞いた話で、ずっと尊敬の念を抱いていた。

 話は古くなるが、衣笠氏、山本浩二氏とともに広島のユニホームを着て赤ヘルを支えた江夏氏。1979年、近鉄との日本シリーズ第7戦で無死満塁を切り抜けた“江夏の21球”は今でも球界の語り草になっている。記者が日本ハム担当時代、移籍してきた江夏氏は広島時代の話をよくしてくれた。山本氏については「ある試合で浩二が難しい球をタイムリーヒットしてな。ベンチに帰ってきた浩二に“ナイスバッティング”と声を掛けたんや。そうしたら“いや、初球の甘い球を打っていたら、あんなに苦労してヒットを打つことはなかった”と。やはり本物のプロやな」と思ったという。

 一匹狼と言われた江夏氏だが衣笠氏とはウマがあった。遠征先でよく2人で食事やお酒の席も共にした。すると途中で衣笠氏は決まって「ユタカ(江夏氏)飲んでてくれ」と言って30〜40分くらい店を出ていくという。何回も続くから江夏氏が「いつもどこに行ってるんや?」と聞くと「どうしてもバット振らないと気がすまん。だからホテルの部屋に戻って振ってくるんだ」と説明したという。実績も築き中心打者になっても努力を怠らない。江夏氏はつくづく衣笠氏の野球への探究心、強い思いを感じたという。

 本物のプロが本物を知る。記者は江夏氏からだが、プロとはどういう人のことを言うのかを教えてもらった貴重な体験だった。(落合 紳哉)

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