健大高崎が12年ぶり4強 佐藤龍月 父の“金言”胸に5回零封 今大会3試合19回無失点

[ 2024年3月29日 05:00 ]

第96回選抜高校野球大会第9日準々決勝   高崎健康福祉大高崎6―1山梨学院 ( 2024年3月28日    甲子園 )

<高崎健康福祉大高崎・山梨学院>先発した高崎健康福祉大高崎・佐藤(撮影・岸 良祐) 
Photo By スポニチ

 準々決勝4試合が行われ、ベスト4が出そろった。高崎健康福祉大高崎(群馬)は最速146キロ左腕・佐藤龍月(りゅうが)投手(2年)が、5回1安打無失点の好投。6―1で昨春王者の山梨学院を下し、12年ぶりの4強入りを決めた。星稜(石川)は戸田慶星(けいた)投手(2年)の無四球完封など阿南光(徳島)に5―0で快勝し石川県勢初の4強。中央学院(千葉)、昨年準優勝の報徳学園(兵庫)も30日の準決勝進出を決めた。

 投げた瞬間、痛みに顔がゆがんだ。0―0の5回2死。左腕・佐藤をアクシデントが襲った。左手中指のマメが破れ、3センチほど皮がむけ血がにじんだ。薄れる指先の感覚。浮かんだのは父・正博さん(53)の「修正が大事だ」の言葉だった。

 「リリースの感覚がなくなったので、足を使って投げることを普段より意識した。気持ちを強く持ちました」

 失った指先の感覚を、体全体の動きでカバー。直後に四球を与えたが、次打者は137キロの直球で空振り三振に斬った。5回1安打無失点。直後の攻撃で4点を先制し、今大会3勝目を手にした。昨秋の関東大会で敗れた昨年の春の王者・山梨学院に雪辱し、今大会は3試合19回無失点を継続。12年以来12年ぶりの4強に導き「目標のベスト4に入れてよかった」と笑った。

 ◇佐藤 龍月(さとう・りゅうが)2007年(平19)7月13日生まれ、川崎市出身の16歳。下小田中小1年から陣屋少年野球部で野球を始め、西中原中では東京城南ボーイズに所属。U15侍ジャパンに選出。50メートル走6秒1、遠投115メートル。憧れの選手はドジャース・大谷。好きな芸能人は今田美桜。1メートル73、70キロ。左投げ左打ち。

 ≪私立 4強独占≫4強が出そろい、石川勢は初めての準決勝進出。群馬勢は12年の高崎健康福祉大高崎以来12年ぶり、千葉勢は19年習志野以来5年ぶりで、報徳学園(兵庫)は2年連続だ。群馬、千葉の選抜最高成績は準優勝。石川とともに初優勝を目指す。兵庫は過去6度、優勝している。また、公立校の阿南光が敗れ、4年連続の私立校の4強独占となった。

続きを表示

この記事のフォト

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2024年3月29日のニュース