巨人ドラ4・泉口が劇打 “サヨナラ慎ちゃん”監督でも!!東京D初采配で45歳誕生日前祝い

[ 2024年3月20日 05:25 ]

オープン戦   巨人3-2ロッテ ( 2024年3月19日    東京D )

<オープン戦 巨・ロ>9回、サヨナラ打を放った泉口(中央)はナインの手荒い祝福にも笑顔(撮影・沢田 明徳)
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 巨人のドラフト4位の泉口友汰内野手(24=NTT西日本)が19日、ロッテとのオープン戦で9回2死満塁から中前にサヨナラ打。現役時代に無類の勝負強さで「サヨナラ慎ちゃん」の異名もあった阿部慎之助監督(45)は東京ドームでの初采配で劇的勝利を飾った。昨季日本一の阪神を本拠地に迎える29日の開幕戦まで、オープン戦はあと4試合。現有戦力と新戦力を融合させ、4年ぶりの覇権奪回を目指す。

 新人らしからぬメンタルは指揮官の現役時代のようだ。オープン戦とはいえ初の東京ドーム。しかも同点の9回2死満塁だ。泉口は「さすがに緊張した」と言うが「落ちる系を投げていたので変化球を狙っていこうと。しっかり整理できていた」と頭は冷静だった。

 カウント2―2から西村が投じたのは真ん中に浮いた135キロのスプリット。快音を残した打球はサヨナラ打となって中前で弾んだ。大歓声を浴びながら一塁を回り、ナインから祝福のウオーターシャワー。「最高です。気持ち良かったです」と笑顔で振り返った。

 キャンプ期間の実戦から多くの選手を起用して競争心をあおってきた阿部監督が「ベストメンバーでいければ」と位置づけた開幕前ラストの本拠地での5試合の初戦。20日に45歳の誕生日を迎える指揮官の本拠地初采配を勝利で飾る殊勲打にもなった。現役時代に歴代通算7位タイの13本のサヨナラ安打を記録し「サヨナラ慎ちゃん」の異名もあった阿部監督が「ケガしない限りいる。必要な戦力」と早くも開幕1軍を明言する新戦力が、大きな仕事を果たした。

 周りに左右されない強さがある。大阪桐蔭の1学年下は根尾(中日)、藤原(ロッテ)ら黄金世代。3年春の選抜優勝に遊撃で貢献したが、後輩ばかりが注目された。だから青学大、NTT西日本と名門でプレーする中で心掛けたのは「周りをあえて見ない。自分のやるべきことをその場、その場でやる」。ここまでのオープン戦ではドラフト3位の佐々木(日立製作所)が安打を量産して目立っているが、自身のことに集中していた。

 本職は遊撃も内野の全ポジションをこなせる新人は「即戦力で獲っていただいている。応えられるように準備したい」と誓う。阿部監督の異名は「知らなかった」と笑う24歳が、レギュラーシーズンでも新風を吹かせる。(小野寺 大)

 ≪新人は18年ロッテ・安田以来≫ルーキーの泉口(巨)がサヨナラ中安打。巨人のオープン戦サヨナラ勝ちは19年3月2日ヤクルト戦(岡本=本塁打)以来だ。また、新人のオープン戦サヨナラ安打は18年3月6日巨人戦の安田(ロ)以来6年ぶりとなった。

 ≪阿部監督現役時代歴代7位タイ13度≫阿部監督は現役時代に歴代7位タイとなる通算13本のサヨナラ安打をマーク。サヨナラ本塁打も歴代6位タイの7本だ。巨人ではサヨナラ安打が王貞治の15本、長嶋茂雄の14本に次ぐ3位で、サヨナラ本塁打は王貞治の8本に次ぎ、長嶋茂雄、亀井善行と並ぶ2位タイ。球団屈指の勝負強さを発揮した。

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