【選抜100年　聖地の華】敦賀気比・岡部飛雄馬遊撃手　父と漫画のような二人三脚、これからも…

第96回選抜高校野球大会第2日第2試合   敦賀気比0―1明豊 （ 2024年3月19日    甲子園 ）

＜明豊・敦賀気比＞6回無死、敦賀気比・岡部は右前打を放つ（撮影・後藤　大輝）
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　敦賀気比の背番号6・岡部の名前は飛雄馬（ひゅうま）。往年の野球漫画「巨人の星」の主人公・星飛雄馬が由来だ。息子に野球をやらせたいと考えていた父・烈雄（れお）さんが命名した。

　小学校の授業が終われば、烈雄さんに連れられバッティングセンターや近所の公園でバットを一心不乱に振った。河川敷で「100本ノック」に挑んだこともある。「めちゃくちゃ野球が好きだったので、練習が嫌になることはなかったです」。熱量は星飛雄馬と父・一徹の父子さながらでも、昭和のスパルタ式とは違う。2人で野球に打ち込む時間が楽しくて仕方なかった。

　1メートル64の小兵で、好きな言葉は「小さな巨人」。父からは「身長が低いからって、何やねん」と鼓舞されてきた。「周りから“小さいから無理やろ”と言われることもあるけど関係ない。身長が低い人にも夢を与えることが目標です」。初めての甲子園で2安打1盗塁。体格面の不利を感じさせない躍動感で、名門の正遊撃手として堂々とプレーした。

　「最終的な目標は、プロ野球選手になって父と喜び合うことですかね」。漫画のような二人三脚は、これからも続いていく。　（河合　洋介）

　◇岡部　飛雄馬（おかべ・ひゅうま）2007年（平19）11月20日生まれ、兵庫県宝塚市出身の16歳。小学1年から野球を始める。敦賀気比では1年春から背番号20でベンチ入りし、1年秋には背番号4。今春選抜では背番号6をつける。1メートル64、63キロ。右投げ左打ち。