【侍ジャパン・ライブ解説】牧田和久氏 大谷、直球“見せ球”にスライダーで中国封じ

[ 2023年3月9日 20:42 ]

WBC1次ラウンドB組   日本-中国 ( 2023年3月9日    東京D )

<日本・中国>2回、無失点に抑えウインクする大谷(撮影・光山 貴大)
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 WBCの1次ラウンドB組が始まり、侍ジャパンは中国と対戦。ウェブサイト「スポニチアネックス」では「侍ジャパン・ライブ解説」と題し、リアルタイムで解説します。中国戦は西武や楽天などで活躍し、WBCでは13、17年大会で守護神を務めたサブマリン・牧田和久氏(38)が先発した大谷翔平投手の投球などを徹底分析します。

 大谷投手は投手としてほどんど実戦の場を積んでいないことを考えれば、上々の立ち上がりと言える。軸になっているのがスライダー。非常に精度が高く、意図した通りに操れている。だからこそ甲斐選手もスライダーを中心に配球を組み立てているのだろう。投手心理として、試合序盤で軸になる球種が見つかれば安心感は大きい。国際大会や短期決戦になればなおさらだ。

 気になるのは直球。本来の球ではなく、制球に苦しんでいて全体的に抜けた球が多い印象だ。相手の打者は当然、速球に差し込まれないようなタイミングでバットを振ってくるので、決して状態が良いとは言えない直球をうまく“見せ球”にして、スライダーで的を絞らせていない。

 配球は偏っているものの、中国の打線にスライダーを狙って打てるだけの打者がいる感じはしない。なので、無理に配球を変える必要はないと思う。回が進むにつれて直球のコントロールも出力も徐々に上がっているように見えるので、いかに最大の武器である速球の精度を上げられるか。そこが中盤以降のポイントになる。

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