西武激戦必至!3枠白紙の外野争い ドラ1蛭間の現在地

[ 2023年3月9日 08:00 ]

西武・蛭間
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 春の匂いが香る3月。WBCで世界一を狙う侍ジャパンへの期待に列島が沸いている。一方でプロ野球はオープン戦が本格化し、西武の外野手争いも熱を帯びてきた。白紙の3枠。ドラフト1位・蛭間拓哉外野手(22=早大)はプロの壁に直面しながらも、その座を虎視眈々(たんたん)と狙っている。

 大学通算13本塁打を誇る左打者。オープン戦初戦だった4日のDeNA戦では2三振を含む4打数無安打。初キャンプをA班(1軍)で完走し、もちろん疲労はある。それでも首脳陣は翌日の同戦でも先発起用。1打席目で左腕・東から鮮やかな流し打ちで左前打を放ってみせた。3打席目はDeNA守護神の山崎と対決。空振り三振に倒れたが3スイング。「打てる打てないよりも、打席に立てることが凄く良い経験になっている」。徐々に仕上がってきたプロのボールを肌で感じられることが、何よりの財産になっている。

 「プロは直球が強いし、まだ対応できていない。もっと練習しないと通用しない」。これが今の実力。蛭間は正直な胸の内を明かした。1月の新人合同自主トレでは、フリー打撃を目撃した主砲の山川から「あの打撃は半端じゃない。今まで見てきたルーキーで断トツ」と絶賛された逸材。大学時代のフォームやバット、何も変えることなく挑んでいる中で“プロ仕様”のヒントを模索しているところだろう。

 ライバルに目を向ければ実績十分の栗山、新助っ人のペイトン、陽川、川越、鈴木、西川、2軍調整中の金子に愛斗。そして2月の対外試合から好調をキープしている山野辺も「ガンガン打って、足でもアピールしていきたい」と目を光らせ、参戦してきた。松井監督は「争いは激しくなるんじゃないでしょうか。いいものを見せてくれていると思うし、うれしい悩み」と混戦模様を予感させている。

 「すでに競争は始まっていると思うし、外野で一番実力がないので、食らいついていきたい」と蛭間。開幕スタメンへ――。ライオンズジュニア出身の獅子の申し子が牙を研ぐ。(記者コラム・福井 亮太)

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2023年3月9日のニュース