侍・大谷に日本ハム時代の仲間たちがエール 巨人・市川コーチ「165キロよりエグかったスライダー」

[ 2023年3月9日 05:05 ]

WBC1次ラウンドB組   日本-中国 ( 2023年3月9日    東京D )

笑顔を見せる大谷(撮影・尾崎 有希)
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 夢の向こう側へ挑む大谷へ、日本ハム時代をよく知る4人がエールを寄せた。今オフのメジャー挑戦を目指す上沢直之投手(29)、中島卓也内野手(32)、かつてバッテリーを組み当時日本新記録の165キロを受けた巨人・市川友也3軍バッテリーコーチ(37)、元日本ハム投手のルイス・メンドーサ氏(39)の4人。当時を懐かしみ、またも世界を驚かすパフォーマンスを期待した。

 ≪上沢 いつか打者・大谷と対戦したい≫凄さは僕がしゃべらなくても分かると思う。やっぱりファイターズの時より全然、エグくなってたと話も聞いた。(6日の阪神との壮行試合の)テレビ中継を見てても、あれをホームランにするのは凄いと思いました。

 プレーどうこうより、日本人がここまで注目して、いろんな人を笑顔にできる存在というか、あれだけ影響力のある人間になれるのは凄いことだなと思いますね。野球選手としてもそうだし、いろんな人に影響を与えるって凄いなと思います。このオフシーズンにちょっと連絡したけど、内容は言えないです(笑い)。

 代表のメンバーを見てても、これで勝てないことがあるのかなって思うぐらい。日本人投手は世界でもトップクラスなんじゃないかと思う。一ファンとして楽しく見させていただきます。生で見たかったですけど、テレビ越しでも見られるので十分かな。打者としての大谷には投げてみたい。いつか実現できるようにやりたいです。

 ≪中島「プレッシャー」乗り越え頂点を≫選手へ積極的に声をかける姿を見て思いました。「翔平って、あんなにフレンドリーだったかな?」と。一緒にプレーしていた頃は報道陣の目もあってグラウンド上では表立ってスキンシップはしていなかった。米国に行って、いい意味で変わったのかな。

 当時から意識の高さは感じていました。投手として先発し、野手としても出場。試合後にはウエートを行う姿に「いつ休んでるの?」と本当に思っていました。いつも自分に「負荷」という「プレッシャー」をかけて臨む。必ず二刀流を成功させるんだ、という覚悟を感じていました。

 翔平の行動は周りを変える。若手はもちろん、ベテランも「翔平がやっているんだから、やらないと」と。高い目標に向かう姿がみんなの刺激となり、チームを変えていった結果が16年の日本一でもあると考えています。

 前回17年のWBCは翔平が右足首の故障で、僕は調整不足で辞退しました。WBC出場は翔平の夢だった。プレッシャーもあると思うが、世界一目指して楽しんでほしい。日本から応援しています。

 ≪市川コーチ 165キロよりエグかったスライダー≫16年CSファイナルSのソフトバンク戦で、当時のプロ野球新記録となる165キロを受けたのですが、実は直前のブルペンは全然凄くなかったんです。軽く投げていて「これの2、3割増しです」と笑っていましたが、マウンドに行ったら別人でした。特に直球以上に凄かったのがスライダーでした。途中まで直球の軌道で、曲がってからも速い。18年にソフトバンクに移籍しましたが、みんながスライダーを絶賛していて「壁に当たったのかっていうくらい曲がる」と驚いていました。

 WBCは野球界を盛り上げるためにも大きな大会です。20、21年にジャイアンツアカデミーのコーチとして子供たちと接する機会が多かったのですが、昔に比べて野球人口の減少を実感しました。翔平の活躍を見て「野球をしたい」と思う子供たちがきっと増えると思う。日本ハム時代から凄かったですが、一回りも二回りもスケールアップした姿を見られるのは一野球人として期待しかないです。

 ≪メンドーサ氏「世界一の選手」へ常に謙虚な男≫翔平とは14~17年に日本ハムで一緒にプレーしました。日本ハム時代から既に日本で最高の選手だったにもかかわらず、常に謙虚な男でした。彼は将来的にメジャーリーガーになることだけでなく、世界一の選手になることを常に念頭に置いていました。メジャー移籍後も彼のその決意、信念は変わらず、二刀流で世界中の野球ファンを驚かせました。

 日本ハム時代は有原(現ソフトバンク)らとともに休日に一緒に札幌市内の焼き鳥店や寿司店に出かけたことをよく覚えています。昨年は家族でアリゾナへオープン戦を見に行き、久しぶりに会いましたが、体が凄く大きくなっていて驚きました。負けず嫌いの彼のことなので、日本代表の一員として戦うWBCでは、全勝優勝を狙っていると思います。私は現在、野球界から離れ、母国であるメキシコで自分で事業を立ち上げて頑張っています。WBCで彼のプレーを見られると思うと凄くうれしいし、楽しみにしています。

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2023年3月9日のニュース