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世界の女性に楽しさ伝えたい 釣りこそ我が人生 女性社長が描く夢

[ 2018年8月1日 07:30 ]

笑顔でインタビューに答えるプラスエム社・金子マミ代表取締役社長
Photo By スポニチ

 【釣談!この人に聞きたい】女性による女性だけの釣り大会「スポニチ創刊70周年記念 シップスマストCUP2018 レディース鮪(マグロ)チャレンジ」が9月16日(日)、相模湾で開催される。「仕掛け人」となるのは釣り業界の新たなリーダーとして存在感を放つ女性社長だ。(藤田 知洋)

 「女性に20キロを超すマグロを釣り上げることが可能ですか?」と問う記者に「簡単ではないですが、道具とやる気があれば十分釣れます。ぜひ多くの方に挑戦してほしい。女性がマグロを釣るなんて、夢があるじゃないですか。アハハハ!」

 朗らかに笑うのは、女性釣りウエア人気ブランド「シップスマスト」を展開するプラスエム社の代表取締役、金子マミさん(45)だ。

 釣りに夢を見続ける人生だ。

 アパレル業界とは無縁だったが「既存のウエアは女性専用がなかった。サイズが合わず見た目がダサくなっても男性用を着るしかなかった。自分が着たいウエアを作ってみたかった」と、10年、37歳で起業した。

 自社ブランド発展と女性への啓蒙を夢見て会社を立ち上げたが「東日本大震災の影響もあり最初は開店休業状態」。しかし愛らしいデザインのウエア、ハート柄の竿など斬新な商品が徐々に浸透。現在は当初の10倍の売り上げを計上、営業部長と2人で始めた会社は、気が付くと従業員が15人に増えていた。

 埼玉県出身。釣りとの出合いは小学校2年生。北海道の釣り堀でトラウトの入れ食いを体験し夢中になった。中学受験以降は遠ざかったが大学入学後、本格的に没頭する。

 「テレビで有名タレントがバス釣りをしているのを見て、釣りが好きだったことを思い出した」。すぐに道具を購入、芦ノ湖や河口湖に通う日々が始まった。

 卒業後は釣り具メーカーに入社。インターネットの掲示板で仲間の輪を大きく広げ、沖釣りにも挑戦、釣り漬けの日々を送った。

 転機は35歳だった。体調を崩し長い療養生活を余儀なくされた。気分転換に訪れたハワイで1メートルを超えるシイラを釣り上げた。「私、病気で死ぬんじゃないか」とまで沈んでいた気持ちが晴れ、一念発起し起業へと向かっていったという。

 現在は複数の大手メーカーと連携して女性アングラー育成をけん引、大会を開けば200人近い女性参加者を集める。「日本だけじゃなく、世界の女性に釣りの楽しさ、奥深さを伝えたい」。どこまでも夢が尽きない。

 〇…12年に入社、草創期から企画デザイナーとして金子さんを支えているのは星智子さん(32)。20代前半、東京湾奥のシーバス夜釣りに出合い人生が変わった。「前職のアパレル企業では、定時キッカリに上がって釣り場直行でした。健全な夜遊びですね」。釣りに関わる仕事をしたいと、デザイナーを求めていた金子さんにイベント会場で入社を直談判した。金子さんは「ネクラだった子が、うちの会社に来て釣りの力で明るくなった(笑い)。デザインを含めて会社の中心人物」と、全幅の信頼を寄せる。

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