×

磐越度事故 無許可の“白バス”か 逮捕の68歳運転手はバス会社営業の「知人の知人」

[ 2026年5月8日 05:30 ]

事故現場から移動されたマイクロバス
Photo By 共同

 福島県郡山市の磐越自動車道で新潟市の北越高ソフトテニス部の男子生徒1人が死亡したマイクロバス事故で福島県警は7日、自動車運転処罰法違反の過失致死傷容疑で、バスを運転していた新潟県胎内市の若山哲夫容疑者(68)を逮捕した。捜査関係者が明らかにした。無許可で営業運行をしたとして道路運送法違反の疑いも視野に捜査する。胎内市によると、昨年3月までの3年間、市の会計年度任用職員としてマイクロバスの運転手をしていた。

 現場に目立ったブレーキ痕がなかったことも判明。バスを手配した新潟県五泉市のバス運行会社「蒲原鉄道」には同日、国土交通省北陸信越運輸局が立ち入り、調査を始めた。

 同社は6日夜、茂野一弘社長らが会見。同校とはこれまで貸し切りバスの手配などで取引があったが今回は予算を抑えたいと「貸し切りバスでなくレンタカーで送迎したい。レンタカーとドライバーの手配をお願いしたい」と要望があったという。学校側との金銭的な取り決めは実費のみとした。

 同社は、営業担当が同社名義でレンタカー業者のバスを手配し運転手については知人に相談。“知人の知人”という形で紹介を受けた。若山容疑者と営業担当に直接の面識はなし。事故歴なども「把握していなかった」。レンタルの際は、若山容疑者本人でなく営業担当の免許証を提示していた。

 北越高の灰野正宏校長も6日に取材に応じ、マイクロバスは男子ソフトテニス部の顧問が依頼して運行していたと明かした。顧問は荷物運搬のため別の車に乗りバスを先導していた。

 ≪保険の支払いに制限がつく可能性≫今回バスを運転していた容疑者は過去にも別の学校で引率を請け負った経験がある。そのため、今回も報酬を受け取っていたとすれば、運転手は「道路運送法違反」に問われる。また、若狭勝弁護士は「運転手だけでなく報酬を渡した側にも刑事責任が問われる」と指摘する。

 事業用の「緑ナンバー」でなく、自家用車などの「白ナンバー」で運送対価を得ると“白バス”行為となる恐れがある。バス会社か学校側のどちらか報酬を支払った方に刑事責任が生じる可能性がある。

 若狭弁護士は「いずれにせよ、学校側がこのスキームを差配したのであれば、道義上の責任は免れないのではないか」と話した。

 また、蒲原鉄道の営業担当は、運転手の免許証でなく自身の免許証を提示していた。業者の約款では運転手全員の免許証提示を義務づけており、保険の支払いには制限がつく可能性が高い。

 ≪緩やかなカーブ 緩衝具に突進≫事故は6日午前7時40分ごろ、郡山市の磐越自動車道上り線で発生した。現場は緩やかな右カーブで、マイクロバスは、衝突の衝撃を抑える緩衝具として路肩に置かれていたクッションドラムに突っ込んだ。クッションドラムの後ろにはガードレールがあり、マイクロバスがそのまま直進したため、ガードレールが車内を貫いた。車体前部は大破し、ガードレールは後部のガラスを突き破った。

 マイクロバスには男子ソフトテニス部の部員ら21人が乗っており、死亡した稲垣尋斗さん(17)は衝撃で対向車線に投げ出された。生徒と運転手計18人が負傷。支柱から外れ折れ曲がったガードレールが追い越し車線の一部をふさぐ形になり、後続のワゴン車が衝突。事故に巻き込まれた車の2人を含め、負傷者は全体で20人だった。

 

続きを表示

この記事のフォト

「大谷翔平」特集記事

「騒動特集」特集記事

社会の2026年5月8日のニュース