【コラム】戸塚啓

日本代表監督任命 結果責任も負うべき

[ 2015年3月13日 05:30 ]

ハリルホジッチ氏への日本代表監督就任要請の経緯を説明する霜田技術委員長霜田技術委員長(左)と原専務理事(右)
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 バヒド・ハリルホジッチ氏の日本代表監督就任が、日本サッカー協会の理事会で承認された。

 3月27日のチュニジア戦を、監督不在で戦うことは避けられた。政治の世界の表現を使えば、「切れ目のない」対応ということになるが、空白期間が生まれてしまうことが、そんなにも日本代表の利益を損ねるのだろうか。少なくともピッチ上においては、著しい不利益は見当たらないと僕は思う。

 アギーレでもハリルホジッチでも、日本人の特徴を生かしたサッカーをやってもらうという大前提がある。ならば、日本人と日本サッカーの特徴に詳しい日本人監督に暫定的に指揮権を委ね、後任監督へ道筋をつけるという選択肢もあったはずだ。3月のテストマッチで好印象を残せば、そのまま続投してもらってもいい。ひとりに絞り込むのが難しければ、二頭体制だって許容範囲である。

 サッカー協会に示してほしかったのは、日本サッカーの経験と知識を総動員し、W杯ブラジル大会とアジアカップの敗退から立ち上がる、という強い姿勢だった。それだけに、外国人ありきの選考は、必然性が乏しいと感じられてならなかったのである。

 女子マラソンの世界選手権の代表選考が、議論を呼んでいる。選考対象のレースで優勝した選手が漏れたのだ。

 複数のレースが選考対象となっており、それぞれに出場選手も異なるだけに、誰もが納得する最適解は見つけにくい。ただ、結果を残しながら選ばれなかった選手と関係者は、言いようのないやりきれなさを抱いていることだろう。

 ともあれ、選ばれた3人が望まれる成績を残せば、選考は正しかったことになる。逆に結果を残せなければ、日本陸上連盟は選考の責任を負わなければならない。

 W杯ブラジル大会で1次リーグ敗退に終わっても、アジアカップで優勝を逃しても、協会の担当者が任命責任を果たしているようには見えない。僕はそう感じている。

 昨年のW杯ブラジル大会でアルジェリアを指揮したハリルホジッチ監督は、確かに興味深い人材である。日本サッカーの新たな可能性を、引き出してくれるかもしれない。その一方で、うまくいかないリスクもはらむ。

 日本代表の監督人事は、外国人を連れてくればいいというものではないだろう。人選の過程を説明するだけでも足りない。今度はしっかりと、結果責任も負うべきである。(戸塚啓=スポーツライター)

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