【コラム】戸塚啓

パナマ戦、メキシコ戦 何を求めるのかが大切

[ 2020年11月12日 07:00 ]

 日本代表はパナマ、メキシコと、予定どおりに対戦できるだろうか。

 ヨーロッパで再拡大している新型コロナウイルスの感染は、オーストリアも襲っている。日本代表は厳格な感染対策を講じていると聞くが、感染者が出てしまうリスクを完全に排除することはできないだろう。対戦相手については、そもそもどのような対策をしているのかがつかめない。

 これから試合当日までの間に、陽性反応を示す選手やチーム関係者が出ることは、まったくの想定外でないはずだ。2試合ともにキックオフにこぎ着けることができれば、それだけで今回の活動は成功だったと言っていいぐらいである。

 パナマとは18年10月にホームで対戦し、3対0で勝利している。すでに発表されたメンバーは、2年前に出場したメンバーを中心としながらも、10代後半から20代前半の選手もピックアップされた。ロシアW杯後の強化の流れに沿って、これまでと同じようなメンバーがリストアップされている。

 メキシコも申し分のない編成だ。オランダ、アルジェリアと対戦した10月のメンバーからは、38歳のGKアルフレド・タラベラ、W杯4度出場のMFアンドレス・グアルダードが外れているが、オランダ戦で決勝点をあげたラウール・ヒメネス、18年ロシアW杯のドイツ戦で得点したイルビング・ロサーノらが招集されている。

 パナマ戦とメキシコ戦で選手を使い分けるなら、メキシコ戦にベストメンバーをぶつけたい。しかし、メキシコは13日に韓国と対戦する。ヘラルド・マルティーノ監督がどちらの試合を重視するのかは、私たちにはコントロールできない。

 そう考えると、自分たちが何を求めるのかが大切になるだろう。

 10月の活動では、2試合を通じて起用されない選手がいた。長い空白期間を経ての実戦だっただけに、森保一監督には主力クラスを長く起用したいとの思惑があったかもしれない。今回は来年3月開催予定のW杯2次予選前最後の活動で、主力クラスを引き続き使いたいところもあるだろう。それでも、前回は出場機会のなかった選手、プレータイムの短かった選手は、実戦で何ができるのかを見定めるべきだ。

 各論では左サイドに触れたい。

 10月はカメルーン戦で安西幸輝が、コートジボワール戦では中山雄太が左サイドバックで起用された。安西は前半のみで退き、後半は4バックから3バックに変更された。中山はフル出場した。

 今回は安西が選考外で、長友佑都が選出されている。経験豊富な彼がトップフォームで稼働すれば、左サイドそのものが機能するだろう。長友の攻め上がりによって、2列目の選手が個の力を発揮できる。

 しかし、2年後のカタールW杯を見据えると、長友以外にも信頼できる選手を確保しておきたい。

 コートジボワール戦にフル出場した中山は、ボランチとセンターバックを主戦場とする選手だ。攻撃にも意欲的なプレーを見せていたが、左サイドバックの競争から抜け出すには至っていない。

 今回のメンバーならば、長友に加えて室屋成も候補になる。左右両サイドでプレーできる室屋を、左サイドで試す価値はあるだろう。森保監督には2試合を通じて、意欲的なテストを期待したい。(戸塚啓=スポーツライター)

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