【コラム】戸塚啓

Jリーグ再開 臨機応変な対応が必要

[ 2020年6月3日 20:00 ]

 Jリーグがいよいよ動き出す。6月27日からJ2とJ3が、7月4日からJ1が、それぞれゲームを消化していく。

 まずは無観客試合で開催される。対戦カードについては、近隣クラブ同士の対戦を優先に組み直される。どちらも観戦予防の観点からだ。

 移動距離が長くなり、その頻度が増えると、感染者が出た場合の経路特定が難しくなる。濃厚接触の可能性がある人の囲い込みも困難だ。そう考えると、移動する人数をできる限り減らし、移動距離を短くし、移動する回数を減らすことが欠かせない。

 近隣クラブ同士の対戦を優先したスケジュールは、Jリーグが再び動き出すための必要条件と言える。J1なら18チームを東西ふたつのエリアに分け、まずはエリア内で試合を消化していく案が浮上していると聞く。

 近隣クラブ同士の対戦を優先しても、ピッチ上の景色がこれまでと一変するわけではない。たとえばJ1なら、東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城の1都4県にホームタウンを置くチームが8つある。週2試合のペースで消化していっても、「同じ相手との試合が続いている」といった印象を与えることはないだろう。

 政府による緊急事態宣言が段階的に解除され、東京は6月1日から休業要請緩和がステップ2へ移行した。社会経済活動の再開に伴って、第二波に襲われることも懸念されている。東京の感染者数はこのところ増加傾向にあり、2日夜には「東京アラート」が発動された。福岡県北九州市は、まさに第二波の渦中にあると言われている。

 Jリーグのホームタウンは、全国各地に散らばっている。北九州市にもJ2のギラヴァンツ北九州がある。

 ひとつのホームタウンに第2波が来てしまったら、リーグ全体をストップするのか。社会の要請に耳を傾けつつの判断になるのだろうが、小さな感染があるたびにリーグ全体を止めるのは、これからは現実的でない気がする。リーグとしてリスク管理をしながら、「こうなったらこうできる」という代案を用意しておきたい。

 近隣クラブ同士の対戦からスタートするのも、Jリーグなりのリスク管理だ。感染拡大の行方次第では、そこからさらに一歩進めてもいい。

 たとえば、エリアごとの対戦をレギュラーシーズンとし、暫定順位を決定する。そのうえで、東西の上位4チームがリーグ戦なりトーナメントなりで順位を決定する。4チームが一か所に集まれば、総当たりのリーグ戦でも1週間強で収めることはできる。

 3位以下についても、4チームや6チームで総当たりのリーグ戦をやってもいい。あるいは、東西の3位同士、4位同士、5位同士でホーム&アウェイで戦う、一発勝負で順位を決める、などの方法も考えられる。

 今シーズンはJ2降格がないので、順位の決定に厳密なルールを設けなくてもいいだろう。新型コロナウイルスの感染拡大の状況を注視しながら、臨機応変に対応してほしい。(戸塚啓=スポーツライター)

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