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【コラム】戸塚啓

アジア最終予選12か国出揃う ポイントは?

[ 2021年6月16日 20:30 ]

 カタールW杯アジア最終予選に臨む12か国が、日本時間6月16日早朝に出そろった。2次予選の7つのグループの首位チームと、グループ2位で成績上位の5か国が決まった。2次予選は8つのグループで争われたが、W杯を開催するカタールは23年のアジアカップ予選のための参加だった。グループ首位でフィニッシュしたが、最終予選には出場しない。

 大きな波乱はなかったと言えるだろう。最新のFIFAランキングの上位国が顔を揃えている。

 唯一の驚きはウズベキスタンだ。15日のグループリーグ最終戦でサウジアラビアに0対3で敗れ、成績上位の2位チームで7位となってしまった。FIFAランキングではアジアの12番目に位置するが、最終予選進出を逃してしまったのだ。

 旧ソ連から独立したウズベキスタンは、1994年のアジア大会からアジアサッカー連盟(AFC)の一員となった。98年フランスW杯アジア予選から6大会連続で最終予選にコマを進めていたが、今回は観戦者にまわることとなった。

 18年のロシアW杯の最終予選を戦った国では、ウズベキスタンに加えてタイも2次予選で敗退した。西野朗監督が率いるタイは、UAEとベトナムが勝ち上がったグループGで4位に終わっている。

 最終予選は12か国を6か国ずつふたつのグループに分けて行なわれる。組み合わせは7月1日を待たなければならないが、シードに相当するポットはすでに決まっている。FIFAランキングをもとに、ポット1からポット6に分けられている。

 ポット1は日本(28位)とイラン(31位)で、ポット2は韓国(39位)とオーストラリア(41位)だ。19年のアジアカップ準決勝で激突したイランとは、同じグループにならない。

 ポット3位はサウジアラビア(65位)とイラク(68位)で、ポット4はUAE(73位)と中国(77位)である。ポット5がシリア(79位)とオマーン(80位)、ポット6はベトナム(92位)とレバノン(93位)だ。

 カタールW杯には各グループの上位2か国がストレートインし、3位国は5位決定戦に臨み、大陸間プレーオフにW杯出場の望みをつなぐ。プレーオフを回避して出場権をつかむ4か国は、ポット1とポット2の4か国にサウジアラビアを加えた5か国だろうか。

 韓国とポットが分かれたことで、98年フランスW杯以来となる最終予選での対戦が実現するかもしれない。ポット3以降は中東の国が6か国を締めており、たとえば日本と韓国に中東の4か国を加えたグループも考えられる。

 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、最終予選は日程の組み換えを迫られた。ひとまず9月、10月、11月に2試合ずつを消化し、来年1月末から2月に2試合、3月末に2試合が予定されている。1、2月もFIFAのカレンダーにあるため、海外組を招集できる。その一方で、国内組はシーズン開幕前のキャンプ期間にあり、通常のカレンダーではコンディションが仕上がっていない。

 日本は代表選手がヨーロッパ各国でプレーしており、国や都市によってコロナへの対策は異なる。選手の招集については、不確定要素を含むことを覚悟しておいたほうがいい。

 15日のキルギス戦後、森保一監督は「最終予選は2次予選とまったく別次元の戦いになる」と話した。何が起きてもおかしくないし、どんなことにも動じない覚悟が、これまで以上に求められるのは間違いない。(戸塚啓=スポーツライター)

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