【コラム】戸塚啓

ライト層も楽しめる平日開催に リピーターを増やすきっかけは?

[ 2017年9月23日 07:00 ]

清水戦でハットトリックを達成した川崎FのFW森本
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 平日のナイトゲームは、観客動員に苦戦する。「そんなこと言ったら、プロ野球は平日のナイターばかりだよ」と突っ込まれそうだが、サッカーはかなり苦戦する。

 プロ野球に比べると、小中学生のグループの観戦率が高いからだろうか。試合終了が午後9時前後のゲームを子どもたちだけで観戦させるのは、どこの家庭でも抵抗があるのかもしれない。

 9月20日の水曜日に、天皇杯の4回戦が行われた。面白そうなカードが並んでいたが、入場者数を調べるとどのスタジアムも空席が多い。僕が取材へ出かけた川崎F対清水戦も、7641人にとどまっている。

 この試合は川崎Fがホームとする等々力競技場で行われた。等々力でのJ1リーグ戦の平均観客動員は2万2千人に届きそうだが、対リーグ戦比で3分の1ほどにとどまる。シビアな数字だ。

 それでもスタジアムに駆けつけた観衆のなかには、川崎Fと清水のコアなサポーターが多かったのだと思う。ピッチに絶えず声援を届けるエリアは、Jリーグと変わらない熱に満ちていた。

 スタジアムで、ふいに考えた。ここにライト層はいないのだろうか?

 もしいるとしたら、サッカー観戦を楽しんでもらえているだろうか?

 川崎Fのスタメンに、中村憲剛の名前はなかった。谷口彰悟、大島僚太、家長昭博らはベンチスタートで、エウシーニョやチョン・ソンリョンはメンバー外だった。カップ戦ならではの布陣と言えるが、ライト層にとっては馴染みの薄い選手が多いことになる。

 他でもない僕自身も、選手の確認に戸惑った。ユニフォーム姿ならともかく、トレーニングウェアを着た状態では誰なのかがすぐに分からない。

 僕の場合は、単なる勉強不足だからしかたがない。本当に困るのは、ライト層ではないか。

 サッカーにあまり詳しくない方が、何かのきっかけでスタジアムを訪れた。せっかくだからと、試合前のウォーミングアップからピッチを見つめる。ところが、選手たちは揃いのトレーニングウェアを着ているので、選手を判別できない。お目当ての選手を見つけられない──これはちょっと、残念である。

 たとえば、トレーニングウェアに背番号を付けられないだろうか。それがダメなら、背番号と同じビブスを着てもらえないだろうか。チーム側がひと手間かけてくれるだけで、ちょっとした楽しみを広い層に提供することができる。

 そうした心配りも、観客動員につながっていくのではないだろうか。リピーターを増やすきっかけは、ひとつでも多いほうがいいと思うのだ。(戸塚啓=スポーツライター)

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