霧矢大夢 終わりなき戦い 楽しみたい

[ 2016年8月9日 05:30 ]

宝塚を退団して4年。「男役をやったからこその自分を楽しみたい」と話す霧矢大夢(東宝演劇部提供)
Photo By 提供写真

 東京芸術劇場で上演中のミュージカル「マイ・フェア・レディ」(7日まで。13、14日=愛知県芸術劇場、20~22日=大阪・梅田芸術劇場)でヒロイン、イライザを熱演中の元月組トップスター霧矢大夢。3年ぶりの再挑戦で「同じ役を数年後にやること自体初めてだったので、戸惑いはありましたが“再演”とは考えずイチから作っていった」と話した。

 前回は退団後初の舞台だったこともあり、男役から女優になる過程と、イライザが輝くようなレディーに変身するさまが重なる気がした。「宝塚で20年のキャリアはあったけれど、あの時は舞台が開くまで不安いっぱいだった思い出があります」と振り返った。

 宝塚時代、「マイ・フェア…」の男版とも言える「ME AND MY GIRL」で主演のビルを演じたこともある。「あの当時、オードリー・ヘプバーンの映画を教科書的に見てましたね。イライザは彼女と大地真央さんしかやっちゃいけない!と思ってたんですが(笑い)まさか、自分にもこんなにご縁がある作品になるなんて」と驚きの表情を浮かべる。

 宝塚を退団して4年。ようやく女優としてのペースに慣れてきたという。「宝塚にいれば、ずっとスケジュールが決まってある程度先は見えるけれど、今は終わりなき戦い。将来不安になることもいっぱいあるけれど、先が見えない感じも楽しみながら、男役をやったからこその自分を楽しみながらやっていきたい」と誓った。(土谷 美樹)

 ★霧矢 大夢(きりや・ひろむ)1974年(昭49)10月2日、大阪府岸和田市生まれの41歳。94年、首席入団し「ブラック・ジャック危険な賭け」で初舞台。花組配属となり97年に月組へ。特に歌唱力にたけ順調にスターの階段を上っていたが03年には初期の膠原病で入院。休演が続くも同年冬に復帰し09年12月トップスターに。12年4月「エドワード8世」で退団後は主に舞台で活躍。

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