珠城りょう(上)肩の置き方や歩幅まで「歩き方」もこだわり抜く

[ 2019年3月19日 18:48 ]

月組公演「夢現無双/クルンテープ 天使の都」   (~4・15宝塚大劇場、5・3~6・9東京宝塚劇場)

「歩き方へのこだわりも見せたい」と話す珠城りょう
Photo By スポニチ

 月組トップスター珠城りょうが宮本武蔵に扮する話題作「夢現無双/クルンテープ 天使の都」が15日、兵庫・宝塚大劇場で開幕した(4月15日まで。東京宝塚劇場は5月3日~6月9日)。

 吉川英治原作の人気小説をミュージカル化したもので、珠城にとっても久々の日本物。「宝塚の和物って凄くいいなあってしみじみ思っているところです。立ち回りも好きですし、武骨で男っぽい、こういう役をやらせていただくのは本当に光栄」と目を輝かせた。

 佐々木小次郎との対決、幼なじみ・お通との恋を描く一方で、荒々しく殺気だった武蔵が、苦難に満ちた剣術修行の中でさまざまな人に出会い、苦しみながらも進化を遂げる成長物語。

 そんな中、珠城がこだわったのは「歩き方」。「役を作る上で、私はその人物がどういう育ちをし、過ごしてきたのかっていうのが歩き方に出ると思っていて、いつも最初にそこから想像していくんですね。肩や肘の置き方から歩幅まで。今回は武蔵の前半と後半でそこの差も出していきたい」と細部へのこだわりをのぞかせた。

 恵まれた体格で着こなす和服、荒々しく束ねた髪も決まり終盤の立ち回りは見応えたっぷり。武蔵の代名詞でもある“二刀流”も見事にはまり、日本物特有の情や奥ゆかしさは芝居で見せた。「新しいことに挑戦することも大事だけれど、105年続いてきた宝塚で残していかなければならないものもある。それが日本物だと思いながらやっています」。使命感さえ漂わせながらの熱演は必見だ。(土谷 美樹)

 ◆珠城 りょう(たまき・りょう)10月4日生まれ、愛知県蒲郡市出身。光ケ丘女子高を経て08年初舞台。月組配属。10年「スカーレットピンパーネル」で新人公演初主演。13年「月雲の皇子」でバウホール初主演。14年からはダイキン工業のCMにも出演。16年9月、トップスター就任。1メートル72。愛称「りょう」。

続きを表示

バックナンバー

もっと見る