珠城りょう(下)これまでの宝塚とは違う余韻を 若きトップの挑戦

[ 2018年2月19日 12:09 ]

「どんどん新しいことに挑戦したい」と話す珠城りょう
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 兵庫・宝塚大劇場で上演中の月組公演「カンパニー/BADDY」は、とりわけトップスター珠城りょうが、タバコ片手にサングラスを掛け大階段を下りる斬新なフィナーレで話題(3月12日まで。東京宝塚劇場は3月30日〜5月6日)。そのワンシーンだけでも見る価値は大いにあるが、1部のミュージカル「カンパニー」も宝塚としては画期的な仕上がりだ。

 珠城演じる青柳誠二は妻を亡くし、出世街道から外れたサラリーマン役。宝塚らしい「華やかさ」からは遠いヒーロー像だが、珠城は「それこそが冒険であり挑戦」と胸を張る。原作は伊吹有喜氏の同名小説。バレエ団に出向を命じられたサラリーマンが戸惑いながらも、公演成功に向け奮闘する姿を描く。リストラ、バイトなど現実的なセリフも多いが「見終わった後、これまでの宝塚とは違う余韻に浸っていただけると思う」と話す。衣装もスーツがほとんどで、ごまかしが利かない。「派手な部分が少ない中で、大劇場の空間を埋めるのは繊細で難しい。組全員が凄く勉強になっています」と頼もしい。

 話題作2本で18年のスタートを切った珠城。「保守的にならず、どんどん新しいことに挑戦したい」。若きトップらしく勢いよく宣言した。(土谷 美樹)

 ◆珠城(たまき)りょう 10月4日、愛知県蒲郡市出身。光ケ丘女高を経て08年初舞台。月組配属。10年「スカーレット・ピンパーネル」で新人公演初主演。13年「月雲の皇子」でバウホール初主演。スケールの大きいスターとして期待を受け16年9月、トップスターに。身長1メートル72。愛称「りょう」。

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