宮原華音 キックボクシング衝撃KOデビューの先 「もし次やるんだったら…」

[ 2023年5月23日 08:40 ]

キュートな笑顔を見せる宮原華音
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 【牧 元一の孤人焦点】4月にキックボクサーとしてデビューしたアクション俳優の宮原華音(27)がインタビューに応じ、1ラウンド39秒の衝撃KO勝ちの要因や今後の活動について語った。

 デビュー戦が行われたのは格闘技イベント「RISE167」(4月21日、東京・後楽園ホール)のオープニング。フライ級・3分2ラウンドで、対戦相手はアマチュア大会で経験を積み、この大会がデビュー戦となる金子久美子選手だった。

 「特に、作戦は立てていませんでした。キックボクシングの練習でお世話になった宮城大樹さん(元RISEバンタム級王者)にも『自分が思ったように戦っていい』と言われていました。前日の夜は、大好きで10回くらい見ている映画『クリード』を見直して心を落ち着かせました」

 ゴングが鳴ると、積極的にパンチを出し、得意のミドルキックを連発したが、距離を詰められ接近戦に。金子選手の猛攻を受け、顔面に何発もパンチを食らうなど、劣勢の展開になった。

 「距離を取りたいと思っていたんですけど詰められました。試合中、パンチは効いてないと思っていたんですけど、後で映像で確認したら、当たった時に私の頭が揺れてましたね…。蹴りは凄く痛いと思いました。練習の時は男性の蹴りを受けていて丸太で押されるような感じだったんですけど、女性の足は細いのでムチでたたかれている感じでした」

 敗色が強いかのように見えたが、下がりながらの右ストレートがヒット。さらにカウンターで放った強烈な右ストレートが顔面をとらえ、その後も連打になったところでレフェリーが制止。金子選手は意識を失った様子でリングに崩れ落ちた。

 「あのカウンターパンチは反射的に出たものです。あの時は、このまま距離を取ろうとしていても勝てないから前に出なくちゃいけないという気持ちでした。私はずっとハイキックを前面に出してましたけど、大樹さんとの練習では、相手のパンチを外して右ストレートを出す練習もしていました。その練習がとても楽しかったんです。でも、試合であんなにきれいに決まるとは思ってませんでした。『外して右』の練習を続けさせてくれた大樹さんに感謝しています」

 1ラウンド39秒の衝撃のKOに至った右ストレートには、小学生の頃から続けている空手の技が入っているように見えた。

 「打ち方は空手の癖が出ていましたね。でも、あんなふうに打ち抜くことができたのはキックボクシングの練習をしてきたからこそです。空手の15年間とキックの1年間の練習が合わさったものだと思います。勝因が何かと言えば、それは気持ちですかね。私は負けず嫌いですから。1年前に練習を始めて、1カ月半前からはプロの人たちに練習に付き合ってもらって、これだけつらい思いをして来たのだから絶対に負けられないと思いました」

 鮮やかなデビュー戦だっただけに、周囲で第2戦への期待の声もあがっている。

 「そういう声は届いています。うれしいですし、RISEを盛り上げるためならばやりたいとは思います。今も空手の道場に顔を出しているし、キックの練習も続けています。ただ、今すぐにあれ以上のものをお見せすることができません。デビュー戦で、39秒KOで、その後にラウンドガールをやる…。そんな要素はなかなかそろわないでしょう。次に3分3ラウンドを戦っただけではみなさんに満足していただけないでしょうし、そもそも、まだ実力が足りません。みなさんに望まれ、みなさんを盛り上げられる試合ができるようになるまでちょっとお待ちください、という感じですかね」

 あくまでも芸能活動が主軸。最近は映画「妖獣奇譚 ニンジャvsシャーク」の忍者役で切れ味の良いアクション、表情豊かな芝居を見せ、注目度も上昇している。

 「キックボクシングを始めてからアクションをほめられることが増えました。以前は動きが空手っぽかったけれど、空手にはないキックやフックの練習をしたことで、アクションらしくなったんだと思います。それをいろんなところで使いたい。『ニンジャvsシャーク』のように、印象に残る作品に出たいです」

 とはいえ、これから時が流れ、第2戦への機運がさらに高まる可能性は十分にある。

 「もし次やるんだったら、ハイキックKOじゃないと満足してもらえないんだろうなと思います。事前に『ハイキック女子』とあおっておきながら、試合でハイキックを1発も出せずに、パンチで倒してしまいましたから…」

 再びリングで戦う理由も十分にある。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。

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