「鎌倉殿の13人」畠山重忠「戦う相手は」“核心”も義時「それ以上は」ネットも“苦い盃”

[ 2022年9月11日 20:45 ]

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第35話。“苦い盃”を酌み交わす畠山重忠(中川大志・左)と北条義時(小栗旬)(C)NHK
Photo By 提供写真

 俳優の小栗旬(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)は11日、第35話が放送された、

 <※以下、ネタバレ有>

 稀代の喜劇作家にして群像劇の名手・三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。鎌倉を舞台に、御家人たちが激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑む。

 第35話は「苦い盃(さかずき)」。3代鎌倉殿・源実朝(柿澤勇人)の妻になる後鳥羽上皇(尾上松也)の従妹・千世(加藤小夏)が京から鎌倉へ到着。政子(小池栄子)らが出迎えるが、千世を連れてくるはずだった北条政範(中川翼)は京に到着して2日後に“怪死”。愛息の凱旋を心待ちにしていたりく(宮沢りえ)は失意に沈む。そんな中、娘婿・平賀朝雅(山中崇)が畠山重忠(中川大志)の嫡男・重保(杉田雷麟)への疑惑をりくに告げる。一方、朝雅の振る舞いについて重保から相談された北条義時(小栗)は父・時政(坂東彌十郎)に…という展開。

 政範の不可解な死に関し、重保が義時に報告。酒宴の前夜、朝雅と医者(黒坂七郎)の密談を目撃。朝雅が政範に毒を持ったと確信した。

 朝雅はりくを焚きつけた。重保が政範に毒を持った、武蔵をめぐって畠山は北条に恨み、重保が自分を下手人にしようとしていると吹き込んだ。

 りくは時政に「政範の敵を討ってくださいませ」「畠山を討ってちょうだい」などと訴えた。

 義時は朝雅を詰問。そして、義時と北条時房(瀬戸康史)が時政を、政子がりくを諭した。

 重忠は朝雅と息子を並べた詮議を訴えるが、朝雅は既に京へ。義時も朝雅が疑わしいと思うものの、朝雅は後鳥羽上皇の近臣。連れ戻して討ち取れば、京を敵に回してしまう。重忠は「我らがいわれなき罪で責められてもよいのか!」と床に拳を叩きつけ、激怒。「戦支度はさせてもらう。念のためです。私とて、鎌倉を灰にしたくはない」。いったん武蔵へ戻った。

 義時は再度、時政を説得。「次郎は頼朝様に救われ、そのご恩に応えるべく、これまで必死に鎌倉のためにお仕えして参りました。私欲のない忠義一徹の男。すべては畠山に罪をなすりつけようとする奸臣の戯言に他なりません。例えば、平賀朝雅。誰よりも疑わしいのは、あの男です。政範殿を亡き者にして、次の執権に。真偽を質そうともせず、次郎を罰するようなことがあれば、必ず後悔いたしますぞ」。時政も「あい、分かった」と納得した。義時の「畠山討伐は待っていただけますか」に頷いた。

 時政は愛息の敵討ちと野心に燃える妻を「りく、やっぱりわしら、無理のしすぎじゃねぇかな」となだめたが「政範だけでは済みませんよ。次は私の番かもしれないのです。そういうところまで来ているのです!」と迫られ、翻意。挙兵には、鎌倉殿の花押を据えた下文が必要。御所へ向かった。

 政子らは「お引き取りを」。時政は「いったん帰ります」としながら、板戸の裏に潜み、和田義盛(横田栄司)の館から帰った実朝に「本日は花押を頂きたい文書がございましてな。ここに花押を1つ。さあ」。文書は両手で隠していた。

 夜、武蔵国。重忠の館の縁側。重忠と義時は酒を酌み交わした。

 義時「とりあえず、父は分かってくれた」

 重忠「それは何より」

 義時「次郎がなすべきは、早急に鎌倉殿にお会いして、潔白を誓う起請文を」

 重忠「それを言いにわざわざ」

 義時「執権殿の気持ちが変わる前に」

 重忠「私を呼び寄せて、討ち取るつもりではないでしょうね」

 義時「(笑って)まさか」

 重忠「私を侮ってもらっては困ります。一度戦となれば、一切容赦はしない。相手の兵がどれだけ多かろうが、自分なりの戦い方をしてみせる」

 義時「(遮るように)畠山の兵の強さは、私が一番分かっておる」

 重忠「もし、執権殿と戦うことになったとしたら、あなたはどちらに付くおつもりか。執権殿であろう。それでよいのだ。私があなたでもそうする。鎌倉を守るために」

 義時「だからこそ、戦にしたくはないのだ」

 重忠「しかし、よろしいか。北条の邪魔になる者は、必ず退けられる。鎌倉のためとは便利な言葉だが、本当に、そうなのだろうか。本当に、鎌倉のためを思うなら、あなたが戦う相手は」

 義時「それは以上は」

 重忠「あなたは分かっている」

 義時「それ以上は」

 続く次回予告には、鎧に身を固めた馬上の重忠、義時が映り、合戦のシーン。第36話「武士の鑑(かがみ)」(9月18日)は、ついに「畠山重忠の乱」(元久2年、1205年)が描かれる。

 核心を突く重忠に、義時は言葉を濁さざるを得ない。SNS上には「視聴者にまでサブタイトル回収させる展開になるとはな…(苦い盃)」「畠山殿はこのドラマでも屈指の人気キャラだし、これは平賀殿やりく殿にめっちゃヘイトが集まりそうだなぁ」「今までの仕業の理由に『鎌倉のため』『鎌倉殿ならこうされた』を使ってきた後ろめたさと痛みを一気に突きつけられた義時。重忠殿に返す言葉がない。残された言葉は父を討つ、北条の非を認めることのみ」などの声が上がった。

続きを表示

この記事のフォト

2022年9月11日のニュース