羽生、大谷が生まれた1994年を回顧すると

[ 2022年7月29日 12:45 ]

大谷翔平(左)と羽生結弦
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 【佐藤雅昭の芸能楽書き帳】競技会からの引退とプロ転向を表明した男子フィギュアの羽生結弦(27)と、米メジャーリーグで活躍するエンゼルスの大谷翔平(28)はともに1994年に産声をあげている。

 いずれも世界が認めるスーパースター。2014年ソチ、18年平昌両冬季五輪で金メダルを獲得した羽生は宮城県仙台市、21年のア・リーグMVPに輝いた大谷は岩手県奥州市の出身で、「東北」も共通項だ。

 五輪連覇の羽生は国民栄誉賞、ア・リーグ新人王に輝いた大谷は日本プロスポーツ大賞を、ともに18年に安倍晋三元首相から授与されている。参院選の応援演説中に銃撃されて死亡し、9月27日に国葬が実施されることが閣議決定された安倍元首相。2人の胸にはどんな思いが去来しているだろうか。ちなみに安倍さんは2人が生まれる前年の93年に衆院選で初当選を果たしている。

 さて、94年は大江健三郎氏がノーベル文学賞を受賞し、ナリタブライアンが3冠馬になるなどビッグニュースが目白押し。プロ野球では長島・巨人が森・西武を破って日本一に輝いている。「自由民主党」「日本社会党」「新党さきがけ」のいわゆる「自社さ」連立政権が成立するなど政治が動いた年でもある。

 映画界では市川崑監督の「四十七人の刺客」と深作欣二監督の「忠臣蔵外伝 四谷怪談」という、ともに日本人が大好きな忠臣蔵を題材にした2作品が10月22日の同日公開で火花を散らせば、「RAMPO」騒動というのもあった。江戸川乱歩生誕100周年を記念して、松竹の奥山和由プロデューサーが黛りんたろう監督にメガホンを託して製作に入ったが、完成品を気に入らなかった奥山氏が自ら監督に乗り出して約70%を撮り直した一件だ。それぞれ「黛バージョン」「奥山バージョン」と呼ばれて、6月25日に別々の劇場で同日公開された。

 他に高畑勲監督のアニメ―ション映画「平成狸合戦ぽんぽこ」、神代辰巳監督の遺作「棒の哀しみ」、原一男監督のドキュメンタリー映画「全身小説家」などが話題を呼んだ。洋画ではジェーン・カンピオン監督の「ピアノ・レッスン」、チェン・カイコー監督の「さらば、わが愛/覇王別姫」、クエンティン・タランティーノ監督の「パルプ・フィクション」、スティーブン・スピルバーグ監督の「シンドラーのリスト」が公開されている。

 アーノルド・シュワルツェネッガー主演の「トゥルー・ライズ」が封切られたのも94年。米ロサンゼルスでシュワちゃんを取材する機会に恵まれたのも懐かしい思い出だ。

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2022年7月29日のニュース