佐野瑞樹アナ 理想はゲストの味引き出す「白いご飯」、フジの“バラエティー担当”が平日昼の顔挑戦

[ 2022年3月20日 07:30 ]

柔らかい表情を見せる佐野瑞樹アナ(撮影・久冨木 修) 
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 【俺の顔】フジテレビの佐野瑞樹アナウンサー(50)が4月から“昼の顔”に生まれ変わる。バラエティー番組を中心にキャリアを重ね、気がつけば50歳。新番組「ポップUP!」(月~金曜前11・45)は人生でほぼ初めての帯番組となる。理想とする司会者像は食べ物に例えると「白いご飯」。さまざまな個性的なゲストを“おかず”に、最高のごちそうを毎日届けていく。(吉澤 塁)

 口元は常にほほ笑みをたたえ、浅黒い肌にくりっとした目がよく映える。50歳という実年齢よりも若々しい。その柔和な顔つきはテレビに出ている時もオフも変わらない。やや低めの穏やかな声色が耳に心地よく響く。

 「普段から意識的に顔を作ったりしないんです」。リモートで行われたインタビューは画質の粗いパソコン越し。それでも画面には普段からよく見る佐野アナが映っていた。

 通常、男性アナウンサーはキリッとした表情でハキハキと言葉を紡ぐ印象がある。そんな彼らと比較すると対照的だ。「男性アナは報道、情報、スポーツの3本柱が基本。僕はバラエティーが軸になっているから雰囲気が違うんでしょう」と分析する。

 アナウンサーを目指した原点は大学時代、日本テレビでアルバイトをしていた経験だ。バラエティー番組「鶴ちゃんのプッツン5」でクイズ問題の作成などを担当していた。

 当初はディレクター希望だったが、現場で演者たちと会話をするうちに心境も変化。「テレビは作るよりも出た方が楽しいのかも、と思って試験を受けました。日テレは書類で落ちましたけど」と懐かしそうに笑った。

 入社後に希望したのはスポーツ実況。そのキャリアを歩みつつ、同時に22年間続いたバラエティー番組「めちゃ×2イケてるッ!」にも立ち上げから関わった。

 笑いのイロハは、同番組を手がけたプロデューサーの片岡飛鳥氏(57)から薫陶を受けた。「固定サラリーをもらっている局アナが、笑いを取るか取らないかで給料が変わる芸人の仕事を奪ってはいけない。バラエティー番組での立ち位置や、ナレーションの仕方、言葉の間。教わったことは数えきれません」。タレントを引き立てて番組を成立させる技術を徹底的に叩き込まれた。

 土曜日には「めちゃイケ」や10年以上総合司会を務めた「めざましどようび」に出演し、日曜日は競馬中継を担当。“土日の顔”を自認しているが、4月からは平日の新情報番組「ポップUP!」の進行MCを務める。「笑っていいとも!」のタモリ(76)、「バイキング」の坂上忍(54)に続く“昼の顔”へと転身する。

 キャリアで帯番組を担当したのはわずか半年。それでも「始まったらやるだけなので、どうにかなるでしょう」と心境は穏やかだ。ただ唯一の心配事は生活リズム。「これまで28年間続けていた不規則な生活が9時から17時の規則的な生活になる。逆に体に悪いんじゃないかな」と余裕の笑みを浮かべた。

 自身もかつて「…いいとも!」に関わっており、同枠には思い入れが深い。「前に出るタイプでもないので、タモリさんの雰囲気を目指したい。どんなおかずにも合う、白いご飯のような存在ですね」。日々代わるゲストを引き立ててきたタモリに、理想とする司会者像を重ね合わせた。

 「ご飯は、普段は気に掛けないけれど弁当に欠かせないもの。ただこの前、ゲストの方を“おかず”に例えたら偉い人に怒られてしまいましたけどね」。常にゆるりとした空気感が漂っている。「前に出すぎず」をモットーに、平日昼のお茶の間に心地よい安らぎの時間を届けていく。

 《山崎夕貴アナと進行MC「信頼できる存在」》佐野アナとともに進行MCを務めるのは山崎夕貴アナ(34)だ。佐野アナは「アナウンス室の中を見回しても信頼できる存在。僕はいつも違う方向へ脱線してしまうので、かじ取りは山崎アナに任せたい」と頼りにしている。「主婦としての目線も持っているので番組に生かしてもらえれば」と期待を込めた。一方で「彼女は噂話が好きなところもあるので、陰で何かを言われてしまうのか、それだけが心配です」とジョークを飛ばした。

 ◇佐野 瑞樹(さの・みずき)1971年(昭46)12月9日生まれ、静岡県出身の50歳。94年に早大人間科学部を卒業し、フジテレビ入社。入社以来、競馬、野球、サッカー日本代表戦などの実況を担当。07年にニューヨーク支局に異動し、10年に帰国。現在は「キスマイ超BUSAIKU!?」や「みんなのKEIBA」などを担当。私生活では2度の結婚と離婚を経験。趣味は神社巡り。血液型O。

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