巨人・戸郷 一問一答 88年ぶり伝説の右腕以来の記録「すごっ。甲子園でできたのはすごい縁を感じる」

[ 2024年5月25日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人1―0阪神 ( 2024年5月24日    甲子園 )

<神・巨>ノーヒットノーランを達成して笑顔の戸郷(撮影・大森 寛明)
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 巨人の戸郷翔征投手(24)が24日、阪神戦で史上89人目(101度目)の無安打無得点試合を達成。打者29人に123球を投じ、5奪三振、1四球だった。

 ――ノーヒットノーランを達成。
 「やっと徐々に実感が湧いてきた。最高な瞬間でした」

 ――9回。
 「9回先頭、四球を出した時点で1―0だったし、多少の焦りはありましたけど、1つ1つ取っていけば、記録もそうですし、試合に勝つことを意識しながら、いきました」

 ――1―0でのノーノー達成。
 「いやもう本当1―0だったからこそ、逆に集中力がもっと増しましたし、ホームランを1本打たれても同点になっちゃうので、本当にチームの雰囲気、とりあえずチームの勝ちをと思いながら、集中して頑張りました」

 ――9回1死二塁で近本。
 「もう本当に配球も難しくて、4打席目だったので、岸田さんがうまくリードしてくれたので、本当に感謝したいなと思います」

 ――最後は中野を空振り三振。
 「初球フォークで入ったので、多少驚きながらは入りましたし。でも、本当に最後のフォークで決めるっていうところは、もう腹にくくってたんで、もうこれで打たれたらしょうがないと思いながら、フォークを選択しました」

 ――最後はフォークで。
 「僕の一番の持ち味であるフォークを最後の決め球にいくのは決めてましたし、いい落ち方を今日はしてたので、左に対しては。岸田さんが選択してくれたんで、ほんと感謝です」

 ――三振に切った瞬間はどんな思い。
 「いや、もうなんか、はい、言葉では表せないぐらいすごい感動もあり、今までやってきたことが間違いじゃなかったんだなっていうところは思いましたし、本当にいろんな支えてくれた方々に向けて、すごい感謝の気持ちを伝えたいと思います」

 ――ノーノーを意識したのは。
 「7回から意識し始めました。6回も多少、0できているなとは思ってはいましたけど。意識したらアカンなと思いながら。でも8回からは意識して1人、1人、アウトを積み重ねていくっていうことで、本当によかったなと思います」

  ――球場の観客の反応は。
 「8回まで特に感じなかったですけれど、9回に上がるときに拍手をいただいたりとか、阪神ファンがすごい盛り上がりというのは肌で感じられたので、今まで以上の初めて体験したくらいの声援の量を体感しましたし、ヒット1本で同点になる場面だったので緊迫した場面だったなと思います」

 ――いろんな球種を駆使した。
 「スライダーがすごいよくて、左の外スライダーがいい所に決まっていたので、岸田さんからも“あのスライダーがいいな”と声をかけていただいた。いいストライクがいっぱい取れたので、そこが今日のポイントだったかなと思います」

 ――直球が勢いがあった。
 「まっすぐの質を高めることが一番ですし、まっすぐがよければ、他の変化球も効いてくると思うので、今日もけっこういいスピードも出てましたし、安定して球速を出せたのは、ノーヒットノーランをできた1つのきっかけかなと思います」

 ――ポーカーフェイスで投げていた。
 「みんなの空気がね、ちょっと回を追うごとにちょっと静まりかえっていたので。ちょっと、そこですごい意識したっていうのもありましたし。誰も来てくれなかったんでね、寂しいなと思いながら。でも本当にみんな緊張しながら守備をしてたと思うので、(岡本)和真さんも近本さんの打球(9回1死二塁で一直)を捕った瞬間、すごい顔をしていた。「打たせんな」とさっき言われました(笑)」

 ――甲子園で達成。
 「甲子園自体も僕自身、好きな球場です。(高校時代に)甲子園に来た思い出の地でもあります。毎回、いろんなワクワクを楽しみながら、甲子園で投げることができている。あの盛り上がりだったりとかは、甲子園独特。楽しみながら投げられたと思います」

 ――甲子園で巨人投手のノーノーは36年の沢村栄治以来88年ぶり。
 「すごっ。甲子園でできたのはすごい縁を感じますし、ほんと巨人ー阪神戦で、たくさんの野球人が喜ぶような戦いを毎回見せたいなと思いながらやってましたし。本当に阪神は強いですけど、そういうチームからもノーヒットノーランできて、すごい良かったです」

 ――沢村栄治の投球動画を見たことは。
 「野球殿堂博物館に新人の研修で行った時に、そういう映像が流れてたりしましたけど。本当、偉大な先輩方に多少、肩を並べることはできたかなと思いますし、まだまだ僕の野球人生は続くと思うので、もっといろんな記録に挑戦したいなと思います」

 ――4連敗を止めたところにさらに価値がある。
 「本当にチームの勝ちを意識しながら、今日はロースコアになっても、なんとか粘るっていうのを意識しながらやっていた。前回、長いイニングを投げられなかったですし、中継ぎの方にたくさん迷惑かけてるので、今日ぐらいは完投、完封したいなと思いながら試合に臨んだ。交流戦の前の最終のカードなので、もっとそこを意識しながら入りました」

 ――自分の今季の成績に不安は
 「今シーズンは本当、自主トレからあまり僕の思った通りにいかず。シーズンの入りもそうですし、本当に苦しかった。ここまで正直苦しかったですけど、なんとかこういう記録が出て、多少報われたかなと思います。でもまだまだね、シーズンが終わったわけじゃないんで、まだまだやらなあかんなっていう気持ちでいっぱいです」

 ――「本当に勝ちを持ってきたいときに持ってこられるのがエース」と以前言っていた。
 「チームとしてもあまりいい流れが来てなかった中でこういう勝利というのは多少チームの雰囲気を上げられたかなと思います。ほんとにそういうところで、僕だけじゃないので、ピッチャー陣がすごい今年頑張ってますし、みんなでジャイアンツを上に持って行けるように頑張りたいなと思います」

 ――次回26年のWBCの開催地が決まった。
 「(決勝は)マイアミですよね?」

 ――23年大会決勝でも登板した球場。またあの舞台で投げたいか。
 「もちろんああいう国際大会が、前回のWBCが僕を強くしてくれましたし、そういう経験が今日のノーヒットノーランに生きてきたと思うので、アメリカで対戦したすごい数々の選手たちは僕のいい経験になったので、また出たいなと言うのは素直な気持ちです」

 ――ダルビッシュからお祝いのラインがくるのでは。
 「来てほしいですね。誰から言われてもうれしいですね」

 ――今夜はどんな夜を過ごしたい。
 「たくさんお肉を食べてね、9回を投げてすごく消費をしたので、回復に充てたいです。今日だけは余韻に浸りながら夜を迎えたいと思います」

 ――今日は美酒に酔いしれるか。
 「お酒は飲まないんじゃないかな。でもね、シーズン終わった時に余韻に浸りながら飲みたいなと思います」

 ――今後。
 「チームの優勝というのを目標に僕としてもやっていきたいですし、チームの勢いをつけることができるようなピッチングを続けていけたらなと思います」

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