JR九州 3大会連続日本選手権本戦出場 延長15回タイブレーク4時間44分死闘制した

[ 2022年9月11日 06:00 ]

第47回社会人野球日本選手権九州地区予選第3日   JR九州7―6日本製鉄大分 ( 2022年9月10日    宮崎市・アイビースタジアムほか )

<日本製鉄大分・JR九州>3大会連続の日本選手権出場を決め、輪になって喜ぶJR九州ナイン
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 代表決定戦2試合が行われ、JR九州は延長15回タイブレークの末に7―6で日本製鉄大分に勝ち、3大会連続16回目の本大会出場を決めた。最高殊勲賞に2打点を挙げたチーム最年長の田中允信遊撃手(36)が選ばれた。西部ガスは先発左腕の田中和正(27)が3安打完封で最高殊勲賞を獲得し、1―0で宮崎梅田学園を退け3大会連続4回目の出場。敗れた日本製鉄大分、宮崎梅田学園は敗者復活戦に回る。

 4時間44分。延長15回の熱闘をJR九州が制した。「選手が最後まで勝ち切ろうという強い気持ちで戦ってくれた」と野中憲二監督はナインの粘りを称えた。両チームとも2桁安打を放つ打撃戦。だが隠れた勝因はチーム最年長36歳、田中の堅守にあった。

 守りのビッグプレーは7回裏。無死満塁から左翼線二塁打を打たれ2者の生還を許し、一塁走者も本塁を狙ったが中継に入った遊撃・田中は「後ろ向きだったが“行った”という声が聞こえたので迷わず送球した」。本塁ベース上に構えた捕手・塩田のミットへの好返球で日本製鉄大分の勝ち越し点を防いだ。

 田中は俊足・強肩の中堅手でJR九州が09年日本選手権で優勝した際も中心選手として活躍。だが入社14年目の今季はチーム事情から遊撃に転向した。「必要とされているからにはやろうと決めた。春からノックを嫌というほど受けてきた」。急造ながら際だった美技でチームを奮い立たせ延長15回タイブレーク勝利につなげた。

 打撃でも同13回に適時二塁打、同15回は決勝犠飛を決め、攻守に輝いた田中は大会MVPも獲得。「09年と比べたら今のチームは発展途上。もっとチームのつながりを強くしたい」。夏の都市対抗出場は逃したが3大会連続で日本選手権に挑むJR九州にとって、日本一を知るベテランの存在は心強い。(中島 泉)

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2022年9月11日のニュース