関本賢太郎氏 佐藤輝が工夫すべき「待ち方」「立ち位置」ベースから少し遠ざかるだけでも見え方は変わる

[ 2022年8月14日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神0―2中日 ( 2022年8月13日    京セラD )

<神・中>佐藤輝の構え(撮影・北條 貴史)
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 【関本賢太郎 視点】阪神・佐藤輝は状態が悪いにもかかわらず、絶好調のような「待ち方」をしている。直球狙いで変化球にも対応というように見え、これは野村克也さんいわく「天才型」の「待ち方」だ。

 8月11試合で36打数4安打の打率・111。数字だけで一概に言えない部分があるにせよ、客観視して自分の状態を見極めることも必要だ。打者は状態が落ちると、たとえば「内角も外角も」という「待ち方」では対応が難しい。人にもよるが、1つの球種に絞ったり、内角か外角かのいずれかに絞るような「待ち方」をしなければ、当然ながら安打にできる確率は低くなる。

 小笠原でいえば、例えばカウントを取りにくるチェンジアップやスライダーに絞っても良かった。第1打席はチェンジアップとスライダーを空振りして追い込まれ、最後は直球で見逃し三振。4球全て外角で、当てが外れたのもあるかもしれないが、2打席目以降、先の3つの球種全てをマークしなければいけない状況になってしまった。これでは、相手バッテリーに対して、後手に回る。

 「待ち方」に加え、もう一つ工夫できるとすれば打席での「立ち位置」になる。内角高め直球をムキになって振りにいくが、そこを打つなら、もう少しホームベースから離れて立たなければならない。半歩分、あるいはボール1個分、ベースから遠ざかるだけでも、ボールの見え方が全然違う。打撃フォームうんぬんではなく、「待ち方」と「立ち位置」に工夫してほしい。

 藤浪は敗戦投手になったとはいえ、素晴らしい内容だった。特筆すべきは右打者の外角速球で、従来のようなシュート回転ではなく、打者の視点で、どんどん遠ざかっていくような軌道だった。広島時代の前田健太をほうふつとさせ、復活ではなく新しい藤浪を見せてもらった。速球が良かったからこそ、梅野もスライダーよりも、体の縦回転で投げられるフォークを多めに要求したのだろう。梅野の配球も好投を引き出していた。(スポニチ本紙評論家)

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