阪神・藤浪 今季初勝利逃すも色あせないポテンシャル 160キロ、10K「自分でも手応え」無四死球降板

[ 2022年8月14日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神0―2中日 ( 2022年8月13日    京セラD )

<神・中>7回1失点の力投を見せた藤浪(撮影・坂田 高浩)
Photo By スポニチ

 阪神・藤浪晋太郎投手(28)が13日の中日戦で今季最速の160キロを計測し、2年ぶり2桁となる10奪三振の快投を見せた。4年ぶりに巡ってきた“甲子園優勝投手”同士の投げ合い。2戦連続21度目の零敗で援護に恵まれず、7回1失点で2敗目。今季初勝利を持ち越しても、5連敗に沈む猛虎に光明を照らした。

 勝てる投球、勝たせてあげたい内容だった。7回1失点。4安打に封じ、何より10個もの奪三振を重ねた。小笠原との“甲子園V腕”対決に結果として敗れても、藤浪は言葉の端々に確かな手応えをにじませた。

 「フォームの力感、使った球種も含めて全体的にバランスが良かったかなと」

 いつまでも色あせないポテンシャルを改めて見せつける107球だった。立ち上がりから圧倒。力みのない理想のフォームから力強い直球で空振りを取り、カットボール、スプリットの変化球も切れた。3回まで完全投球。4者連続含む6奪三振で付け入る隙を与えなかった。

 「いろんな球種を、バランス良く投げ込むことができた。全体的にいいテンポで投げることができた」

 “魅せる”投球で場内を沸かせた。5回1死で木下を見逃し三振に斬った外角直球は今季最速160キロ。続く石垣からも見逃しで10個目を奪い、20年7月30日ヤクルト戦、先発20試合ぶりの2桁奪三振に乗せた。無四死球で先発マウンドを終えるのは16年6月9日ロッテ戦以来、実に62試合ぶりだ。

 唯一の反省は決勝点を与えた6回。中前打と犠打で1死二塁とし、岡林の4球目のスプリットが暴投になって走者を三塁へ進め、セーフティースクイズで先制された。「最後はセーフティースクイズなので防ぎようがないかと思いますが、その前のワイルドピッチや先頭打者への勝負球は、慎重に投げるべきだったという反省はある」と過程を悔いた。

 前回6日の広島戦も6回1/3を2失点で一度は勝利投手の権利を得ながら、9回逆転サヨナラ敗戦で霧散。2戦連続で好投が白星に結びつかない不運でも、2軍暮らしの日々を思えば、“次”があることが力になる。

 「ある程度、自分でも手応えはありますし、しっかり次回につなげていければ。チームに勝ちをつけられるように頑張るだけ」

 10年前は同じ「8月13日」に夏の甲子園大会で木更津総合との初戦(2回戦)を迎え、14奪三振の2失点完投で発進。頂点へ駆け上がる第一歩だった。戻ってきた夏の輝き。勝ち名乗りを上げる日は着実に近づいている。(遠藤 礼)

 《開幕投手唯一の未勝利続く》藤浪(神)は7回4安打1失点で、援護なく2敗目。今季の開幕投手で唯一の未勝利。開幕から5度の先発で未勝利は18年(6度目で初勝利)と並んで自己ワースト。10奪三振は20年7月30日ヤクルト戦の10奪三振以来、先発20試合ぶりの2桁。自己最多は16年7月29日の中日戦まで5度あった13個。5回、木下の4球目で出た160キロは今季最速で、自己最速は20年10月19日のヤクルト戦で計測した162キロ。

続きを表示

2022年8月14日のニュース