阪神“新・勝利の方程式”完成!借金完済 「7回の男」に台頭、浜地「(ボールの)鮮度を保てるように」

[ 2022年7月25日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神1―0DeNA ( 2022年7月24日    甲子園 )

<神・D>2番手で登板した浜地(撮影・坂田 高浩)
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 阪神は24日、DeNA戦(甲子園)に1―0で今季14度目の零封勝利を挙げた。今季初の勝率5割で前半戦ターン。岩崎優投手(31)が9回を締めて今季22セーブ目。7点差を逆転された3月25日の開幕戦では崩壊した「勝利の方程式」が新たに「7回の男」を担う浜地真澄投手(24)らの躍動で今や猛虎のストロングポイントに。チームは最多16あった借金を完済し今季初の同率2位に浮上。首位を独走するヤクルトを猛追する態勢が整った。

 4カ月前、地獄への引き金になった「勝利の方程式」が大逆転ドラマへの土台をつくった。1―0の9回。守護神の岩崎は走者を許したものの、最後は2死一塁で代打・嶺井を左邪飛に仕留めて試合を締めた。

 「勝ちの意識?いつもあります。いつも通りです」

 “平常運転”でつかみ取った1勝でも、チームにとっては大きな意味を持った。今季初の勝率5割で前半戦をターン。最大16あった借金を完済した。どん底からはい上がってきた猛虎を支えたのが岩崎をはじめとする鉄壁のブルペン陣だ。

 3月25日、ヤクルトとの開幕戦で最大7点リードしながら詰め寄られ、最後はケラーが逆転を許して敗戦。岩崎も8回のピンチを食い止められず方程式は船出から崩壊した。

 そこから悪夢の開幕9連敗。4月上旬から新守護神を務める左腕も「経験したことないぐらい負けた。悔しさしかない」と振り返る。それでも「すべてが思い通りにいくわじゃないけど前に、前に」とファイティングポーズは崩さなかった。逆襲を呼び込んだのは若い力。不動のセットアッパーに成長した湯浅、そして、この夜も7回を託された浜地の台頭も光る。

 今季30試合目の登板は1イニングを3者連続三振。2死から対峙(たいじ)した代打・山下とは16球に及んだ熱投の末に最後は見逃し三振に斬った。「何とかゼロでと思って」。「決め球がない」と主に直球とカットボールの2球種でも、投球フォームのタイミングを変えるなど工夫も交えて地位を上げてきた。お立ち台では出世魚の「ハマチ」にかけ「(ボールの)鮮度を保てるように」と繰り返した右腕。「手を抜かない。手抜きがピッチングにつながる」と丁寧な“下準備”を欠かしたことはない。

 しばらく“戦犯”扱いされていたケラーも復調し、ブルペンに隙は見当たらない。「みんな自分の仕事は分かってきてる」とは岩崎の言葉だ。

 首位独走のヤクルトとは7月4日時点で最大17ゲーム差あったが、以降の20日間で11ゲーム差まで縮めた。飛躍、抜てき、信頼がにじむ和製方程式で価値ある白星をつかんだ矢野監督は力強くうなずいた。「後半戦でドラマを起こす舞台が整った」。筋書きは自分たち次第だ。(遠藤 礼)

 【借金16以上からの勝率5割復帰は延べ5チーム目】阪神が3連勝で46勝46敗2分けとし、今季初の勝率5割到達。開幕9連敗に始まり、4月23日時点で最大16あった借金を完済した。借金16以上からの勝率5割復帰は10年のヤクルト(最大借金19)以来、延べ5チーム目。開幕から借金生活のケースは91年オリックス(最大借金16)以来2度目。阪神は66年の借金19完済以来56年ぶり2度目で、借金16以上を2度も完済したのは阪神が初めてだ。

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