【高校野球】明徳義塾・馬淵監督 「継投」視野もエース吉村完投 1点差に迫られても続投させたワケ

[ 2022年7月25日 16:15 ]

第104回全国高校野球選手権高知大会決勝   明徳義塾8-7高知 ( 2022年7月26日    春野 )

明徳義塾・馬淵史郎監督
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 明徳義塾(高知)が8-7で高知を下し、2年連続22度目の甲子園出場を決めた。第104回全国高校野球選手権大会(8月6日から17日間、甲子園)にはコロナ禍で中止となった2020年をはさみ、19年から3大会連続で出場する。高知は13年ぶり夏の甲子園大会出場はならなかった。

 2回までに3点を先行されたが、4、5回に1点ずつ返すと、6回に一挙6点を奪って逆転。直後の6回、高知の猛攻で1点差まで迫られ、9回は一打サヨナラの窮地にまで追い込まれたが、辛くも逃げ切った。

 甲子園通算54勝を誇る馬淵史郎監督は「こういう展開になるとは思ってなかった。前半、点の取られ方が思ったようなことじゃなかったんで。じっくり攻めていけば、1点ずつ返していこうと。うまく点が入ったもんですから。これは勝負になると。ムード的には中盤から良くなったですね」と汗をぬぐった。

 序盤は追いかける展開だったが「まだ回が浅かったから焦りはなかったけど、川竹くんの球威に推されてストレートに力負けしていた。クイック気味にくるので、打者が構え遅れをしていた。なのでちょっと早めにとっていこうかと。ちょっとずつタイミングが合ってきたんで、もしかしたら1、2点はいけるかなという感じはあった」と語った。

 試合前には継投も視野と発言していたが、結果的にエース吉村は結果的に完投させた。「2回くらい継投考えて、投手の矢野の調子も聞いたんですけど…まあ、ここでエースをこんな試合で変えるかとぐっと我慢して。というのも、昨年夏の(甲子園準々決勝・)智弁学園戦では、8、9回で吉村がバテたんですよね。8、9回をどうするかというテーマで1年間やってきた。8、9回で1点差。1年後、どうなんだとベンチ裏へ呼んで気合いを入れたんですけど、よく頑張ってくれました」と昨夏、智弁学園に1点差で敗れた悔しさを見事バネにした吉村を称えた。

 2年連続の甲子園。「苦しい試合だった。なんかこれを乗り越えられたので 1つでも多く上を目指していきたい」と意気込んだ。

 底力を示した。初戦こそ7回コールド勝利で発進したが、準々決勝、準決勝ともに接戦。終盤に突き放して勝利を手にしたが、苦しみながら勝ち抜いた高知大会となった。昨夏甲子園大会でも3試合に登板した左腕・吉村優聖歩(3年)、矢野勢也投手(3年)が安定感あふれる投球で試合を引き締めた。

 高知とは、コロナ禍で甲子園大会が中止となった20年を含め、夏の高知大会決勝で4年連続の対戦となった。好敵手を下し、聖地への切符をつかんだ。2002年以来、2度目の優勝へ。スタートラインに立った。

◇明徳義塾 甲子園への足跡◇
2回戦 7-0 土佐
準々決 4-1 梼原
準決勝 5-3 高知中央
決 勝 8―7 高知

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2022年7月25日のニュース