都城東 関東第一撃破で4強!エース峯岸1失点完投 内田監督も「ミラクル」

[ 2022年7月25日 04:00 ]

第104回全国高校野球選手権東東京大会準々決勝   都城東3-1関東第一 ( 2022年7月24日    神宮 )

<関東第一・都城東>9回、最後の打者を打ちとった都城東・峯岸(左)は喜びを爆発させる(撮影・西海健太郎)
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 校歌を歌い上げると、この日一番の笑顔を見せた。都城東・峯岸叶(かなう=3年)が121球の熱投。春の都大会王者で第1シードである関東第一を1失点に抑え、6年ぶりのベスト4を決めた。

 「どうしたら流れを持ってこられるか考えた時に笑顔がいいと」
 身長1メートル70で投手としては小柄なエースの笑顔が奇跡を呼んだ。プロ注目の井坪陽生(3年)を擁する強力打線に7安打を浴び、味方も3失策。それでも「関一なのでそういうこともあると想定していた」と言う。失策した野手には笑顔で「次、頼むぞ」と声を掛けた。9イニングで得点圏に走者を背負ったのは7度も「仲間を信じて打たせる」と決めていた。奪三振は0。数字が仲間への信頼を物語る。

 都立ながら99、01年に夏の甲子園に出場。聖地から遠のく過去20年でも16年にベスト4入りするなど私立にも負けない実力を持つ。文武両道を実現し、なおかつ強豪校も倒すことを目標に入学する選手も多く、当然、背番号1をつける峯岸もプライドがある。「相手も同じ高校生だと開き直ってどんどん攻めた」と内角を多投。最速138キロの直球とフォークを低めに集めた。

 打線は1―1の8回に2死一、二塁で代打・高野丈治(3年)の中前適時打で勝ち越し。9回は藤森晴久(2年)に左越えソロも飛び出した。内田稔監督は王者を破っての4強進出に「ミラクル」と目を丸くし「峯岸はよく投げた」と評した。

 峯岸は「一球一球を大事にし、相手がどこでも、しっかり勝っていきたい」と誓う。01年以来の聖地まで、あと2勝。頂点に立ち、最高の笑顔を見せる。

 ◇峯岸 叶(みねぎし・かなう)2005年(平17)1月27日生まれ、東京都葛飾区出身の17歳。小1から野球を始め、中学は青戸中軟式野球部に所属。都城東の野球部主将を務めていた3歳上の兄に憧れ入学。1年秋からベンチ入りし、2年秋から背番号1をつける。1メートル70、70キロ。右投げ右打ち。

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2022年7月25日のニュース